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ーAside

A「慎くんのこと振った。」



いつも行く店で悠莉と氷月にそう言うと、2人は分かりやすく顔を曇らせた。



悠莉「…なんで振ったの?」

A「だってそもそも釣り合う訳ないじゃん。
8つ下で、しかも芸能人なんだよ?
こんな三十路のしがない弁護士と付き合った所でメリットなんて感じられないでしょ。」

氷月「メリットとかじゃないです。」

A「え?」

氷月「慎くんは、ただシノさんのことが好きだからシノさんに告白したんです。」

A「…。」

氷月「好きだから好きって言う。
それだけだと思うんです。」

悠莉「…ねぇ、シノ。
昔あんたに何があったのか知らないけどさ。
でも、慎くんのこと信じてみてもいいんじゃない?」



…違う。

信じられないのは、自分だ。

イライラして、気がつくと尖った声が出ていた。



A「…勝手なこと言わないで、私のこと何も知らないくせに!」

氷月「シノさん…!」

悠莉「知らないわよ、だってあんたが話してくれなかったからね。」



悠莉が静かに言った。

そのまま静かな、凪いだ目で私を真っ直ぐに見つめる。



悠莉「何も話してくれないのに、何も知らないって突き放すのはどうかと思うわよ。」

A「…。」

氷月「…シノさん、話してください。
私も悠莉さんも、シノさんのこと知りたいです。
話すのは今じゃなくてもいいです、シノさんが話したくなったときに話してください。」

悠莉「…シノ、ひとつ聞いていい?」

A「…何?」

悠莉「…私のこと、どう思ってる?」

A「えっ?」

悠莉「10年以上一緒にいるけどさ、気付いてる?
シノ、私に1回も昔の話したことないんだよ。
私あんたのこと親友だって思ってるけどさ、あんたはそう思ってくれてる?」

A「思ってるよ、当たり前じゃない!」

悠莉「じゃあどうして大事なこと何も話してくれないの?
そんなの親友って言える?」

A「悠莉…。」

悠莉「…ごめん、今日は帰るね。」



止める間もなく、悠莉はバッグを掴んで出て行った。



氷月「悠莉さん!」



氷月がその後を追い掛けて行く。

そして、私は1人、取り残された。

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設定タグ:長谷川慎 , THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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Nayuu(プロフ) - おおおおお (2020年10月8日 2時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» あっ、そういうことですか。この後慎くん頑張りますよー(ネタバレすんな) (2020年10月2日 9時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - えっとね、慎くんはどうするんだろうって 本当は違うこと書こうとしてたのに忘れた (2020年10月2日 3時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» 何がですか? (2020年10月1日 17時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - どうしよう (2020年10月1日 10時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu  
作成日時:2020年1月17日 18時

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