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ー慎side
A「…それで、話って何?」
慎「好きです。」
まどろっこしいことは全部すっ飛ばして、俺はそれだけを伝えた。
Aさんが目を見開く。
慎「Aさんが好きです。
誰よりも、この正解で1番Aさんが好きです。
…この間の言葉の意味、秋夜から聞きました。」
A「っ!」
慎「それでも俺、Aさんのことが好きです。
やっぱり諦められません。」
A「…聞いたなら分かるでしょ。」
慎「…それでもいいです。」
A「え?」
慎「いつかAさんに好きな人ができて、俺が傷付くことになってもいいです。
それまでAさんのそばにいれるなら、それだけで幸せです。」
手を伸ばして、そっとAさんの手に重ねる。
A「…っ。」
Aさんの手が引き抜かれる。
慎「…Aさん。
いつかAさんに好きな人ができるまででいいから、Aさんのそばにいさせてください。」
それ以外はもう、何も望まない。
慎「Aさんが俺のこと好きになってくれなくてもいいから。
俺のわがままに付き合ってくれるだけでいいから。
15年引きずった片想い、俺が忘れるまででいいから。
…お願い、Aさん。」
A「慎く、」
慎「言わなくていい。
…何も言わないでください、…分かってるから。」
A「…。」
Aさんが言おうとした言葉は、きっと“ごめん”だから。
そんな言葉は聞きたくないから。
慎「…ごめんなさい。」
そう言って、俺はAさんの肩を抱き寄せてその唇にキスをした。
A「っ!」
慎「…一生のお願い。
これで終わりにするから。
もうAさんには会わないから。
今日だけ、俺のものになって。」
ずるいってことは分かってる。
でももう、この恋が叶うことは無いから。
だから、せめて今日だけは。
恋が叶ったって思わせて。
明日にはもう、忘れるから。
Aさんにキスをしながら、俺は心の中で涙を流していた。
──────俺の初恋は、終わったんだ。
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Nayuu(プロフ) - おおおおお (2020年10月8日 2時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» あっ、そういうことですか。この後慎くん頑張りますよー(ネタバレすんな) (2020年10月2日 9時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - えっとね、慎くんはどうするんだろうって 本当は違うこと書こうとしてたのに忘れた (2020年10月2日 3時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» 何がですか? (2020年10月1日 17時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - どうしよう (2020年10月1日 10時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時:2020年1月17日 18時