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ー悠莉side

氷月「…なんか、シノさん様子変でしたね。」



その日の仕事終わり、氷月と入った居酒屋で彼女がぽつりと呟いた。



悠莉「…うん。」

氷月「何かあったんですかね。」

悠莉「…分からない。」



私は首を振った。



氷月「シノさんと悠莉さんって、大学の同期なんでしたっけ?」

悠莉「うん。」

氷月「何か聞いてませんか?」

悠莉「聞いてないわね…。
シノ、あんまり自分のことを話したがらなかったから。」

氷月「…そう、ですか…。」

?「あれ。」



横から声がして、ふとそちらを向くと、大学生くらいの男の子と目が合った。



?「悠莉さん?」

悠莉「…秋夜くん?」

秋夜「はい。」

氷月「…誰ですか?」



氷月が首を傾げる。



悠莉「東雲秋夜くん。
シノの弟。」

氷月「えっ!」

秋夜「えっと…?」

氷月「片岡氷月です。
いつもシノさんにお世話になってます!」

悠莉「同僚なの。」

秋夜「ああ…。
こちらこそ、いつも姉貴がお世話になってます。」

悠莉「1人?」

秋夜「いや…、待ち合わせです。
…あ、来た。
こっちこっち。」



秋夜くんが手を上げる。

彼の目線を追うと、慎くんがちょうどこちらへ歩いてくる所だった。



氷月「慎くん?」

慎「あ。」

秋夜「ん?知り合い?」

悠莉「そうか、友達なのよね。」

秋夜「はい。
昔神奈川に住んでたとき、家が近所で。」



慎くんが小さく頭を下げる。

そして、私は彼にまだ名乗っていなかったことを思い出した。



悠莉「シノの大学の同期で、今は同僚の鈴木悠莉です。
こっちは片岡氷月。」

慎「あ…、長谷川慎です。」



お互いに頭を下げ合う。



秋夜「え、会ったことあんの?」

慎「うん、前に…。
Aさんとご飯行こうと思ったら鈴木さんと片岡さんといて。」

秋夜「ふーん。
で?姉貴とどうなの?」



秋夜くんが聞いた瞬間、目に見えて慎くんが落ち込んだ。



秋夜「…え、何?」

慎「いや…。」



慎くんは口ごもっていたが、秋夜くんに促されて私たちがシノから聞いた話をなぞり始めた。



秋夜「姉貴、マジかよ…。」

慎「…やっぱ、望みなんか無いのかなぁ。」

氷月「まだ分かんないじゃないですか!
シノさんだって、戸惑ってるだけかも…!」

慎「…そうっすね。」

秋夜「ま、なんかあったら言えよ。
俺姉貴ん家の合鍵持ってるし、いざとなったら連れてってやるから。」

慎「…それは最後の手段に取っとく。」



そう言って、慎くんは小さく笑った。

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設定タグ:長谷川慎 , THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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Nayuu(プロフ) - おおおおお (2020年10月8日 2時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» あっ、そういうことですか。この後慎くん頑張りますよー(ネタバレすんな) (2020年10月2日 9時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - えっとね、慎くんはどうするんだろうって 本当は違うこと書こうとしてたのに忘れた (2020年10月2日 3時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» 何がですか? (2020年10月1日 17時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - どうしよう (2020年10月1日 10時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu  
作成日時:2020年1月17日 18時

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