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食後のデザートも美味しく頂き、ふたりで紅茶を飲んでひと息つく。
謙「Aさんって、スケート好き？」
『ス、スケート？』
唐突な質問に戸惑う。
謙「赤レンガ倉庫のとこで屋外スケートリンクやってんねんて！」
そっか、それでスケート…
『あ、毎年やってるよね。行ったことないんだけど…』
謙「え、そうなん？」
『うん。あんまり機会なくって』
謙「あ、俺も。でも実は屋外のスケートリンクって行ってみたかってん。よかったらこの後行きません？」
『うん、行きたいな』
滑れる自信はないけど、ここでお別れも寂しいなと思ってたから誘いを受ける。
"そろそろお会計を"と思ったら、長尾くんがすでに支払いを済ませてくれていて驚いた。
学生でそんなスマートなことができるなんて…
末恐ろしい20歳だ、なんて思ってしまう。
『ね、ねえ長尾くん。さすがにわたし払うよ…！』
お店の外で、慌ててお財布をバッグから出そうとしたけど、
謙「俺がそうしたかっただけやから。」
あっさり断られてしまった。
そして、よっぽどわたしが困った顔をしていたのか、
謙「じゃあ…お願い聞いてくれる？」
と言い出した。
そう言っていたずらを思いついた子どもみたいに笑う顔は、年相応の男の子という感じがする。
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
