＊47 ページ47
謙「あ、こっちみたい」
『はい…』
彼の後ろをついて歩く。
マンションのエントランスから地下に続く階段を降りると、重厚な扉がわたしたちを出迎えてくれた。
長尾くんが扉を押して開くと、目の前にソムリエエプロンとベストを着用した女性が立っていた。
どうやら、レストランらしい。
謙「予約していた長尾ですー」
「ようこそ。お待ちしておりました」
女性スタッフの方に案内されるまま、中に足を踏み入れる。
『わあ、素敵…！』
店内は宮殿のようなフロアが広がっていた。
天井にシャンデリア。床は赤い絨毯。
振り返ると白い暖炉。
奥にはライトアップされた、ロマンチックな噴水が見えた。
「奥の噴水前で思いを告げると、ふたりの愛は永遠に続くと言われています…」
店員さんが丁寧に説明してくれる。
案内してもらった、噴水がよく見える席に着く。
『長尾くん、こんな素敵なお店どうやって見つけたの？』
謙「へへっ、いろいろ見てたら出てきたんです」
「いやー、めっちゃええ雰囲気やなあ」と長尾くんもキョロキョロ見渡している。
『そうなんだ。ありがとうね、お店探してくれて』
謙「全然。ここ、料理もめっちゃ美味しいらしいから楽しみやなあ」
少しして、ウェルカムドリンクが運ばれてきた。
謙「えっと、それじゃあ…メリークリスマス」
『メリークリスマス』
少しはにかんだ顔の彼と、グラスを軽く合わせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 352人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
