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キッチンで洗い物をしている間、ちらっと店内の様子を見る。
長尾くんと道枝くんがゲラゲラと楽しそうに笑っているのが見えた。
こうして見ると、大学生の男の子って感じだなあ…
なんて、ぼんやり見ていると
駿「あ、俺そろそろ行かんと」
謙「おー、バイトか。気をつけてな」
駿「サンキュ」
道枝くんが、ささっと荷物を片づけている。
『…200円のお返しです。ありがとうございました。
』
駿「ご馳走様でした。美味しかったです」
お会計を済ませると「また来ます」と綺麗な顔で微笑む道枝くん。
そしてぺこっと頭を下げて、足早に店を出ていった。
謙「あ、Aさん！」
ふいに長尾くんに呼び止められる。
『長尾くん、どうしたの？』
振り返るとにこにこした長尾くんが、おいでおいでと手招きをしている。
言われた通りに近づいていくと、
謙「…今日、何時に仕事終わります？」
小声でそう言った彼に、いつものあどけなさはなくてドキッとする。
『…18時まで、です』
謙「待っててもええですか？」
『…大丈夫』
思わずそう答えると「じゃあまた後で」と微笑まれた。
この子はいったい、いくつ笑顔の引き出しがあるんだろう…
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
