人魚姫2 (ページ9)

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エレベーターを降りると、受付のお姉さんが眩しい笑顔で会釈し、普段そんなことに慣れていない私は不覚にもそれにドキドキしてしてしまう。

韓国の女性って本当に綺麗だなぁなんて彼女を眺めながら考えていたら、出入り口付近からなんだか賑やかな歓声が聞こえてきた。

なんだろう、とその声の近くまで歩いていくと、数えるのも困難なほどの女の子の大群が飛び跳ねたり叫んだりしていて。

『あの、あれってなんですか？』

これからパレードでも始まるのかと思うほど不思議な光景にびっくりして、さっき微笑んでくれた受付のお姉さんに聞いてみると、「あぁ、これからEXO様が入られますのでそれだと思います」と説明された。

『…エクソ？』

なんのことだかさっぱり。

「SMに所属の男性アイドルですよ、ご存知ありません？」

彼女は変わったものを見るみたいに私を見つめ、目をパチパチさせた。

『アイドル…』

少し考えて、日本でいうジャニーズかな？という答えに至る。

それにしても、人の数が凄すぎてこれじゃ帰れないよ…

出入り口はすっかり人で押し固められ、私が出て行く隙間もない。

「すみません。もうすぐ入られると思いますので、少しお待ちください」

受付のお姉さんのせいじゃないのに、彼女は申し訳なさそうに顔を歪めている。

『全然！大丈夫です』

そう言った私はスマホの画面で時間を確認し、リン君1人で大丈夫かな…とため息を落とした。

さっきよりも大きくなった歓声が、私のところまで届く。

女の子たちがなんて言ってるのかはよく聞き取れないけど、エクソというアイドルが来たのだという事はなんとなく分かった。