人魚姫2 (ページ7)

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『ねぇねぇ、学校は？』

「サボってきました」

昼過ぎ、コウさんが仕事で外に出て行ったから、1人で店番をしていると、平然とした顔でリン君が出勤してきた。

平日の昼間だと言うのに、すんごい堂々としてる。

『不良！？』

「違いますよ、これでも優等生なんで」

いやいや、どこがよ。

「それにしてもココは暇でいいっすね」

ふわぁとあくびをしたリン君を横目に、店の奥で鳴る電話を取りに行く。

『はい、○○レンタルビデオ屋です』

「あ、俺」

『は？』

電話をかけてきたのはコウさん。

「あー、今から頼みたいことあるんだけどいい？」

『もぉ、私的な用事ならスマホにかけてきてよね』と小言を言いつつ、メモ用紙を取り出し『なに？』と応える。

「俺の机にさ、紙袋ある？白いの」

『えーと…あ、うんあるよ』

「やっぱりか」

『これがなに？』

「あのさ、それ俺のとこまで届けてくれる？今必要で」

店はどうするの？って聞こうとして、リン君がいるのを思い出す。

『分かった、どこにいるの？』

コウさんから住所を聞き、リン君に電話の内容を説明した後、白い紙袋を持った私は店の車に乗り込むとエンジンをかけた。