人魚姫2 (ページ6)

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朝起きたら、リビングがなんだか騒がしかった。

「え！？あの飴の子と仲良くなったの！？」

チャニョルとジョンデがでかい声で叫んでる。

スホヒョンがうるさいよと諭してるけど、まったく2人は聞いてないようで、その話の中心にいたのはベッキョンだった。

めずらし、こんな朝早くから起きてるなんて。

いつも俺が起こしてるのに。

リビングのソファーで集まるみんなを横目に、俺はキッチンに向かう。

「あ！ギョンスヒョンおはよ～」

俺に気づいたセフンがソファーから抜けだし向かって来た。

「あ、おはようギョンス」

もうみんなベッキョンの話に夢中で、顔だけこっちに向けたミンソクヒョンが挨拶してくれる。

「ねぇセフナ、みんな何話してるの？」

セフンは朝ごはんを作る俺の脇腹をずっーとつついている。

「んーと、ベッキョンヒョンの恋話？」

最後が疑問形なのはきっと、セフンが人の話を聞いてない証拠。

「昨日、打ち上げて行った店で女の子と偶然再会したからそのまま連絡先交換して、夜中に電話してデートの約束したんだって」

いつの間にか目の前にいたカイが、「んまっ！」と出来たばかりの料理をつまみ食いしながら説明してくれた。

「え、女の子って…あの、日本人の？」

「そうらしいよ～」

相変わらず俺の邪魔してるセフン。

「そういえば、ギョンスヒョンは昨日なにしてたの？珍しく外でご飯食べて帰ってきたし」

鋭いところを突いてくるカイに、言葉に詰まった俺はなんて言えばいいのか少し迷ってから「まぁ、友達とね」と濁した。

「何をするのも自由だけど、あんまり大ごとにならないよう気をつけてくださいね」

カイはそれだけ言ってフニャと笑った。

分かってる。

理解してるつもり。

「…ごめん、」

呟いた言葉に、自分でも誰に言ったのか分からない。

「水族館行くんだ～」

まだ騒がしいリビングに、ベッキョンの嬉しそうな声が響いた。