もし君と、違う形で出逢っていたら 3

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Aちゃんに会ったコンビニから優太の家までは

あっという間だった。



「熱は下がったの？」

「いや 全然」

「薬は？」



まだまだ赤い顔して熱が下がっていない理由は

机の上にある未開封の薬が原因の一つである。



「まだ飲んでない」

「とりあえず何か食べて、薬飲みな」



買ってきたスポーツドリンクを渡すと小さくありがとう

が聞こえて、お粥やら果物やら出して

最後に桃のゼリーを机に置いた。



「待って、これって」

「なに？それから食べるの？」

「ちょっと行ってくる」



心もとない足取りで部屋を出ようとする優太を

後ろから抱き締めた。

こんな状態なのに。今支えてるのは私なのに。

どうしてあの子じゃないとだめなの。

私が優太の幼馴染みだったら同じように想ってくれるの？



「今行ったってAちゃん驚かせちゃうだけだよ」



Aちゃんの名前は出さなくてもよかったかもしれない。

いや 出しても出さなくても優太はあの子の事しか頭にない。


静寂がふたりを纏う中

返答のない優太は光のない瞳で何を考えているのだろう。

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