▶追憶:《家入硝子》 ページ43
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瞼の裏に差す淡い光に自然と体が強ばった。
適度な暖かさを保つ体にかけられた何かが意識を再び眠りに誘い、私は軽く身じろぐとその熱を逃がさないように体を小さく丸めた。
自身の唇の間から漏れる規則的な呼吸が気持ち良くて、それと、鼻腔を擽る身近な誰かの匂いに覚醒し始めた意識を再度手放そうとして。
「__A、いつまで寝てんの」
『?!』
被っていた布団を容赦なく剥ぎ取られ、寝起きの体が冷たい外気に晒され鳥肌が立つ。
思わず飛び起きると、そこには気だるげな顔をした女性。
大きなタレ目と不摂生な印象を与える青いクマ、草臥れた白衣は、いずれも私にとって馴染みの深いもので。
家を逃げ出した十の頃から面倒を見てくれた、大好きな人。
面倒臭いなんて口では言いながら、情に厚いのを私は知っている。
伏せがちな彼女の瞳は乏しい表情に相反して、いつも私への愛をその奥に携えてくれているから。
『__家入先生』
私は、初めて与えられたその暖かい
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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時