告解室 ページ40
No side
「__」
《人》の気配の無くなった空間で、プラチナの髪が静かに揺れた。
何も無い空間に深く腰かけた件は、いやに白いその肌に爪をつき立てる。
端正なその顔を骨張った大きな手で覆い、誰もいないこの空間で尚もその表情を隠し続けた。
「…焦り過ぎたか」
ぽつりとこぼした後悔は拾われることなく宙に解けて消える。
Aがエースを助けようと体が動いた時、彼女は一度だけ何も考えずに手を伸ばした。
まるで本能に突き動かされたかのように、無意識に。
そしてその本能は
長年生死の瀬戸際にある職業についていたせいか、彼女のそういった危機感は研ぎ澄まされていた。
確かにあの瞬間、彼女が感じた《エースを助けなければ自分が死ぬ》という妄想に等しい憶測は間違っていなかったのだ。
《…“約束”です。
私は、この戦争に於いてあなた達を裏切らない。
あなたの目的の邪魔もしません。
その代わり、あなたも私の目的の邪魔をしないでください》
彼女は、クロコダイルと船上でお互いに手出しをしないという縛りを結んだ。
クロコダイルに提示した条件は目的__即ちエース救出の達成の邪魔をしないこと、そしてAが求められた条件とは《裏切らないこと》と《クロコダイルの目的の邪魔をしないこと》だった。
775人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時