▶追憶:特級たる所以 ページ16
No side
東京の郊外に位置する東京都立呪術高専。
およそ多くの人が想像する東京のイメージとはかけ離れた自然に囲まれた広大な敷地を持つこの高専は、普通の学び舎とは教育内容が異なっている。
普通ではない、つまり言い換えれば異端であるこの場所に在籍する学生や教師も、勿論異端であるわけで。
「__なぁに、呪力の話?」
一般人よりも頭一個分飛び抜けた上背の男が、生徒たちが利用する運動場に顔を覗かせた。
真っ黒な装いと目隠し、それに押さえつけられ重力に逆らった白髪を見れば、ただの不審者である。
けれど彼に声をかけられた短髪の少年は、声の主を確認するとパッと顔を輝かせ「五条先生!」と不審者をそう呼んだ。
…驚くべきことに、この大男_五条悟は教師だったのである。
ちなみに運動場には他にも数名学生がいたのだが、この短髪の少年以外はみな五条の登場に顔を顰めた。
「や!
皆ちゃんとやってるみたいで感心感心。
で、なんの話してたの?」
「…虎杖が、呪力をもっと上手く流したいって言うので先輩たちに聞いてたんです」
「でも俺らもアドバイスできるほどうまいわけじゃねぇから、説明に困ってたんだ」
「しゃけしゃけ」
伏黒、パンダ、狗巻が申し訳なさそうに苦笑する虎杖に変わって簡潔に説明すると、五条はフンフンと頷き閃いたように人差し指を立てた。
「じゃ、Aに聞きに行くといいよ!」
「あ?悟は教えねぇのかよ」
「何、Aじゃ不満?」
「「「全く」」」
「よっしゃ、虎杖、Aさんに教えて貰いに行くわよ!」
「待て、野薔薇」
「ぐえっ」
「高菜、ツナ」
片や変人、片や憧れの先輩。
どちらに師事を受けたいかなど火を見るより明らかだと走り出そうとした釘崎をパンダが捕まえ、潰れた蛙のような声を上げた彼女の顔を狗巻が覗き込む。
各々が不思議そうに五条を見上げる中、視線を集める当の本人はふっふっふ、と怪しげな笑みを深めた。
それに真希が舌打ちし、釘崎が「気色悪い」と吐き捨てると、酷くない?と一瞬真顔に戻った五条だが、対して気に止めてはいないようで立てていた人差し指を左右にヒラヒラと振る。
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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時