先輩の彼女になれますか？ (ページ9)

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花火大会当日…

「せんぱーいっ」

平野「おぅ、浴衣…可愛いじゃん」

「…ありがとうございますっ」

先輩と射的したり、金魚すくいしたり
とってもとっても幸せな時間

「ぁ、ぶどう飴…」

平野「……すみませんっ、１つください」

店員「はい、好きなのとってねー」

平野「ほら、選べよっ」

「先輩っ…ありがとうございますっ」

ヒューーーードーーン ……

平野「お、花火始まったな…いくぞっ」

「先輩、もしかして…」

平野「ほら、俺たちの秘密の場所で見るぞっ」

「…はいっ、」

私は先輩が出した手を握って歩き出した

その時

平野「ひ、かり…？」

そう聞こえた。

先輩の視線の先には

目からポロポロと涙を流している女の人

先輩は私を握っていた手をスッと離すと

その女の子の側へ駆け寄って行った

ねぇ、先輩…早くしないと
花火終わっちゃうよ…
私たちの秘密の公園で…
花火見るんじゃなかったの？…

平野「Aっ、悪い…こいつちょっと送ってくるから…1人で先行っててくれる？」

なんで……先輩行かないでっ…！
なんて言えるはずもなくて…

「…はい。」

これが精一杯の言葉だった…

平野「本当にごめん、すぐ行くから」

先輩はそう言うと、

その女の人と一緒に人混みに消えていった

花火の音だけがやけに頭に響いて

きっとさっきの人が工藤光先輩なんだなって

あの人には敵わないんだって分かってしまった。

こんなに好きなのに…

好きになってしまったのに…

好きになればなるほど胸が苦しくなる

こんなに辛くなるなんて…知らなかったよ…

「A…？」

名前を呼ばれた気がして顔を上げる

廉「…やっぱり、Aや。なにしてるん1人？」

「……廉…くんっ、」

廉「え、なに…どうしたん？」

「ぅぅ……ひっく、」

廉くんが目の前に現れた瞬間

何故だかすごく安心して…

涙が溢れでていた

廉「おい、なにがあったん？」

廉くんは優しく私を抱きしめてくれた

「ぅぅー、廉くんっ…ひっく、先輩がぁ、」

廉「… 。」

「先輩がぁっ、ひっく…ひか、りさんとっ…」

廉「…ぁあ、わかった。もうええよ、わかったから…よく頑張ったなぁ、偉いなA」

「廉、くんっ…」

廉「もうええから、今は俺の事だけ考えて…」

ギュッ

廉くんはそう言うとさらに強く私を抱きしめてくた

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