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「そうですね。僕も今回出演するに至っておさらいを。でも環くんが寝てから見てました。怖いらしいです」
そうちゃんが困ったように笑うから首を傾げた。
たまちゃんが怖がるのって、私と同じ様なお化けとかスプラッタとかだよね？
『お化けとかないから私でも平気だけど？』
「人がじわじわと襲われるシーンが怖いそうです」
『なるほど･･･』
たまちゃん、繊細。優しいな。
「1作目の映画は棗も出てたし、2人も見たんじゃねえか？」
みっちゃんがトウマとトラに話を振る。
完全にMCが体に染み着いてるなと思うものの、2人に視線を移した。
「俺も観ました！助手役のAさんが、鋭いツッコミ系のわりに体力なくて犯人に追いつけなかったシーンは、思わずこっちが心ん中でツッコんじゃいましたけど」
「ああ、ドラマの時だね。原作小説とは違ったけど、僕は応援したな」
「いつも探偵に“しっかりしてください”って言ってんのに！？頑張れよ！って言いたくなるよな。御堂は？」
「探偵が格好いい。犯人を追い詰める時がスカッとする。普段ボケッとしてるからギャップがいいって言ってる奴も多いな」
体力なくて犯人に追いつけなかったのは、アドリブだったんだよ･･･本当は追いつかなきゃいけなかったのに、面白いからOKって原作者さんにも言われたんだよ･･･
一応演じきったし。
苦笑いしながら、盛り上がってる4人の話を聞く。
何であれ、自分の代表作みたいになってる皆で作り上げてきたこの作品が、愛されているのは純粋に嬉しい。
「盛り上がってるね。始めるよー」
後ろに気配がして振り返る。
監督が嬉しそうに微笑んで席へと歩いて行っていた。
挨拶してるとその場にいた出演者全員が席に着く。
顔合わせと今後の予定と、前半の台本読み合わせが始まった。
・
ゾロゾロと会議室から人が出て行く。
席を立って、台本とまだ中身が入ったペットボトルを持つと、みっちゃんが私の肩をポンと叩く。
「A、この後仕事あるか？でなきゃ予定とか」
『ううん。Re:valeのラジオこれからあるけど私まだ出れないし、予定も仕事もないよ』
「じゃあ久しぶりに一緒に食うか？ナギと陸はラジオで遅れるけど」
「他のメンバーはいますよ。万理さんとマネージャーも一緒です」
『行く。どこで食べるの？』
そうちゃんが説明してくれる間に、みっちゃんがトウマとトラも食事に誘ってる。
いつもこういう時は教えてくれるそうちゃんが、来ればわかります、と嬉しそうに微笑んだ。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
