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笑顔でスルリと褒める言葉が出てくる百は相変わらずだけど、私は目がおかしいまでは思わなくなったけど、自分を卑下する癖は中々完全には直らない。
百がニコッと笑って、ん？と私の顔をのぞき込む。
「どこが可愛いなんて、いくらでも言えるよ？」
『･･･言わなくていい』
卑下しようとしたっていうこと、わかっててプラスに解釈して愛おしそうな顔するの、ズルい。
自分の顔が赤くなっていくのを自覚しながら、百から顔と目線をはずす。
百がずっとニコニコしてるのが目の端に見えた。
「今日、陸と環と仕事だったんだけど、仕事終わってから会った時･･･」
『ん？』
逸らしてた目線も顔も百の方へ向けると、百が苦笑いした。
「Aのドレス姿の1枚目、見られちゃったんだよね」
『あ、そうなの？』
「うん･･･」
しょっとショボンとしてるかのようにうなだれてる。
1着目ってマーメイドラインの白のドレスだよね。
2着目がエンパイアラインの白のドレス。
3〜5着がカラードレスで、Aラインとプリンセスラインだった。
私は別に、たまちゃんに見られても陸に見られても構わないけど？？
首を傾げてると、百が勢いよく顔を上げる。
すっごい嬉しそう。
「でも2枚目死守した！」
『あ、そう･･･？？』
「なんでそんなに興味なさげなの！？」
『別に誰に見られても、困らないけど？？』
「オレは嫌なの！」
『でも雑誌の表紙飾るから、発売したら誰でも見れると思うけど？？』
「う･･･っ」
百がわざとらしくピタッと止まる。
マンガだったらきっと、背景に雷でも落ちてるんじゃないか？
私の背景は、？？だけだけど。
百がももりんをグイッと一気飲みしてテーブルにグラスを置く。
よく炭酸一気飲み出来るな〜、炭酸苦手だから余計にそう思うのかもしれんけど。
「そうだとしても仕事とプライベートん時の表情って違うじゃんか！独占欲でしょ！？」
『･･･ああ、なるほど』
「愛の温度差！！」
通常運転と言えば通常運転のテンションの百。
だが、ももりんで酔ってるのかと言いたくなる状況。
テーブルに頬をつけてこっちを向いてる百が口を開く。
「Aのドレス姿見せびらかす時は、オレのって意味で見せびらかしたいんだよね」
『見せびらかすって･･･』
「前も言ったじゃん。皆に自慢したいけど閉じこめときたいって」
『矛盾だね･･･』
私が苦笑すると、百はテーブルに腕を置いて、そこに自分の顔を埋めた。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
