検索窓
今日:7 hit、昨日:39 hit、合計:20,678 hit

65 〜百side〜 ページ15

オレ単体の仕事のミーティング中、スマホが何度も震えていた。
見なくてもわかる。
姉ちゃんだ。

今日もドレスの試着しに行くって言ってたしな〜。
写真送ってきてんだろーな。

ミーティングが終わって局内の自販機でももりんを買って、壁際に立って飲みつつラビチャ画面をタップする。

瑠璃百、どれがいいと思う?

色んなウェディングドレスを見る機会なんて、芸能界に入ったとは言え中々ない。
結婚式挙げる人とか、そういうのに携わる人とか、衣装関係の仕事の人とかはすっごい見てそうだけど。

予想通りに姉ちゃんからの写真に目を通して行く。
前の時みたいに、Aがコレを着たら・・・とか妄想すんのもオレの中ではお約束。
ただ姉ちゃんに、どれがどうだとか意見するためには、妄・・・想像は一旦横に置いとくけど。

コレ綺麗だけど姉ちゃんには色があってなさそ・・・。
・・・・・・ん?

ゆっくりスクロールしてた手が自然と止まる。
大きく目が開いてくのがわかった。

「何コレ!?」

明らかな照れたような恥ずかしそうな笑顔。
マーメイドラインの白のウェディングドレス。
ウィッグなのか、ウェーブがかったロングヘア。
ヴェールはない。

マジマジとスマホ画面を見てると、ヒョイと目の前に少し水色がかった髪が現れる。

「おおー。Aっち綺麗じゃん」
「えー!何々?オレも見たい!」

横を見ると、環の隣で陸が環を引っ張ってる。
オレの素っ頓狂な声で、2人共オレの所に来たらしい。

本当は見せたくないけど、環見ちゃったし仕方ないかと思って陸にも見せた。

「うわぁ!お姉ちゃん綺麗!」

目を輝かせていい笑顔になってる陸を見ると、自慢したくなるような気分と、見せてよかったとも思える。
環が、キョトンとしたような表情で口を開いた。

「もう結婚式挙げんの?」
「えっ!?まだだよ!?」

陸に返されたスマホを持って、さりげなく画像保存。

「多分、オレの姉ちゃんが試着しに行ってんのに付き合わされたんじゃないかな。結構前にAの休み聞かれたし。ただオレも仕事だしAの今日の予定は知んないから、ダメ元で突撃したんだろうけど」

「そうなんですね!でもお姉ちゃんの短い髪、もう見慣れたけど、やっぱり長い方がしっくりきますね」
「うん。今のも似合ってて可愛いけどね!」

スマホをポケットにしまう。
またスマホが震えたのに気づいたけど、写真がAだとしたら独り占めしたいと思って今度は出さなかった。

66→←64



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
81人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miz | 作成日時:2021年7月3日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。