笑顔のキミが好き【百】 14 (ページ40)

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作曲への意見ページ40

スタジオで千が楽譜をくれる。
手は加えたくない。
でも、音が違いすぎたり、不自然に感じるものには付箋を貼った。

【･･････あれ？】

『千、サビマエだけないけど。』

「ずっと、ピンと来ない。高くするか低くするか･･･どっちが良いと思う？」

確か、低い音の後に高い音。
声に出さないように頭で音をなぞる。

『えー？難しいこと言うね。千の思うとおりにしてみたら？』

「前は意見だしてくれたじゃない。最近出してくれない。SILVER SKY、TO MY DEAREST、奇跡。この3曲に関しては、モモよりも口出ししないでしょ。」

うわー、曲の事に関しては、記憶しっかりしてるよね。
最近の事でも、結構覚えてないことあるのに。

【やっぱり、Twelve Fantasia TourのWelcome,Future Worldはないんだよね･･･】

あの曲、好きだけどな。
まあ、通常のライブの音ゲーでは、ないものだったからなあ･･･

『･･････そうかな。アレンジになったら言ってるでしょ？･･･これ、弾いて良い？』

「弾いて。元々そのつもり。」

明らかに千は、別の事を言おうとした顔だったけど。
取りあえず弾く。

【やりにくい･･･この曲、イメージは確かにＭissionなんだけど･･･】

私、NO DOUBTに拘りすぎ？
頭の中にある曲が好きだから違うと感じるのか、もっと良い物を作りたいと思うから違うと感じるのか分からない。

「随分弾きにくそうだね。」

『うーん･･･』

「言いたいことがあるなら言って。いつもそうしてきた。何で迷う？」

千が怖い顔してるなあ。
もう、曲に対する想いだけは言うか。

『なんかピンとこない。･･････曲のイメージはＭissionなんだけど。』
「けど？」

お。
千が嬉しそう。

そっか。
こういう風に作曲自体しなくても、率直な気持ち言うだけでも違うのかな。

『躍動感が欲しいかな。曲自体に。』
「躍動感。」

『この曲だと、なんていうか･･･』

なんて言えばいいんだろ。
何か言ってたな。
千が。
未来の千が。

“全体が締まるだろ。”

『そう、全体が締まってない！』

はた、と千と目が合う。

「･･･そう。」

あ、嬉しそう。

「･･･うん。もう一回考える。Aはお風呂入ってきて。･･･あ、大和くんには気をつけて。」

『首を絞められないように？』

「いや･･･Aのおかげで正気になったから、それは心配してない。違う意味で襲われないように。」

『･･･千とは違うから大丈夫だよ。』

千が困ったように笑った。