2人きりの朝 5 ページ6
『あの・・・本棚見た?』
「ん?見た。」
『じゃあ、ゲーム関連の資料集とかオフィシャルブックも見た?』
「中身は見てないけど、タイトル見ただけでどういうのか分かった。有名だから。・・・・・・何?妬かせたいの?」
ジトッとした目で見られて慌てて手を振って、オフィシャルブックを持ってきた。
パラパラめくりながら話した。
『前に一緒にゲームした時、好きな声優さんの話とか好きなキャラの話とかしたの覚えてる?』
「うん。したね。」
『私、このゲームはこのキャラが一番好きなの。・・・共通点分かる?』
言いながら推しキャラのページを見せた。
百は考えるように言った。
「え・・・と、すごい自惚れたこと言って良い?」
『いいよ。』
「・・・・・・オレ、似てる?」
百が心配そうに私を見て目が合う。
私は微笑みながら頷いた。
『元々好みのタイプなの。明るくてでも人一倍考え込んじゃって、優しくて、ちょっと子供っぽいけど、ちゃんと大人で、かわいくて格好いい。すごい周りを見てて、ちょっと泣き虫で、一生懸命で嫉妬深くて・・・たまに暴走するけど。』
正直に、微笑みながら言う。
百が真っ赤になって両手で顔を覆った。
「ヤバい・・・A、襲っちゃいそう・・・」
『え・・・いや、おかりん来るし!本しまってくる!』
慌てて本をしまって戻ると、インターホンが鳴った。
おかりんだ。
『あ、百の聞けなかった。』
「あ。じゃあ車で言う!」
『え?おかりんいるよ?』
「いい!言いたい!」
話しながら、おかりんの車に行くと驚かれた。
「おはようございます。・・・言ってくれたら良かったのに。」
「おかりん、ドッキリ成功?」
「成功です・・・。」
車に乗ると、百は約束通りに言ってくれた。
「オレ、何回も言ってるけど、Aの笑顔が一番好き!後は優しい所も素直じゃない所もすぐ赤くなる所も泣き虫でかわいい所も・・・全部好き!」
百がそう言って八重歯を見せて笑う。
ちょっと心がくすぐったくて、嬉しくなった。
「ラ・・・ラブラブですね・・・」
おかりんが微妙そうに言った。
「ラブラブだよ!いつでもモモちゃんとAはラブラブ!」
『・・・いつでも?・・・そう?』
結構ケンカもするし、最近は想いが伝わってるか微妙だった。
結構な頻度で、心が行ったり来たりしていると思う。
好きなのは変わらないけど。
「ええ!?違うの!?」
百が焦ったように言う中、事務所に着いた。
403人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miz | 作成日時:2019年4月19日 5時