日記帳の中身 2 ページ40
『・・・・・・ん?』
眠い。
寝返りを打とうとして体を動かすと、ずしっと体に重みが走る。
なんだっけ、この痛み。変な違和感。
初めて経験するけど、記憶では知ってる?
【・・・・・・!!】
目の前で寝ている百を見て、昨夜のことがフラッシュバックした。
百の切羽詰まったような息遣い。
ぅわぁぁ!
逃げ出したい!
恥ずかしい!
泣きたい・・・・・・。
【でも、百が泣いてた。】
“オレ、ずっと怖くて。でもAが欲しくて。Aが待ってくれて、全部話してくれて、オレを受け入れてくれて・・・・・・すんごい幸せ。ヤバイ。オレ一生分の幸せ貰ったかも。”
胸の奥が、締め付けられた。
【私も、幸せだよ。】
スヤスヤ寝ている百の髪の毛を撫でる。
かわいくて、格好いい。
一番好きな人。
重い体を何とか起こしてスマホを見る。
今何時だろ。
今日は昼から仕事あったはず。
まだ6時。
そんなに寝てない。
スケジュールを開けると、11時半におかりんが迎えに来て13時から撮影になっている。
・・・・・・もうちょっと寝よう。
次起きた時、少しは体が楽になっている事を願って、スウェットを着て寝た。
次に起きた時は、後ろから百に抱きしめられていた。
【う、動けない・・・】
少しは体の重みは楽になっていた。
だからといって違和感は変わらないので変な感じ。
『・・・ん?』
さわさわと胸を揉まれた。
思わず肘で後ろに強く圧をかけた。
「っ・・・痛っ!なにすんの。」
『いや?なんとなく?』
「ひどい!昨夜めっちゃ可愛かったのに!」
『・・・っ言わないで!』
「A、こっち向いて。」
『無理無理!色んな意味で無理!』
すると百が抱きしめる腕を離して起きる。
私の顔を覗き込んだ。
「真っ赤じゃん。・・・体、大丈夫?」
『・・・・・・大丈夫。ちょっと重いだけ。』
「ごめんね?」
そう言いつつ、百は嬉しそうだ。
「オレ朝ごはん作るよ。ゆっくり起きておいで。」
『いや、何作る気?』
怖い。
出来ない人が何言ってんだ。
「トースト?あったよね。ベーコン位オレだって焼けるよ?」
百がぷくっと頬を膨らませた。
『焦がさないようにね。』
「出・来・ま・す!」
ぷりぷりと怒ったふりをして百は、着替えてからキッチンへ向かった。
私はゆっくり起きた。
違和感は変わらない。
・・・・・・でも、これが、夢じゃない証拠がした。
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作者名:miz | 作成日時:2019年4月19日 5時