日記ではない日記帳 4 〜百side〜 ページ32
どれ位そうしてたか、Aが口を開いた。
『百。帰ったら、日記帳・・・・・・』
「え?」
言いかけてやめるA。
よっぽど言いにくいんだろうな・・・・・・。
『あ、いや・・・自分で・・・』
また言いかけてやめる。
「ゆっくりで、いいよ。」
そう言うと、Aはホッとしたような顔をした。
いいよ。
時間がかかっても、Aが今、一生懸命考えてくれてる事くらい伝わる。
オレにとって、ユキやAが支えであるように、
Aにとっての支えになりたい。
何でも言って。
オレの悪口でも、例えAの心に黒い部分があっても、
全部受け止めたい。
・・・・・・悪口はちょっと凹むかも知れないけど。
『百。帰ったら、家に来てくれる?それまでに整理する。ちゃんと話す。だから・・・・・・』
Aはオレを真っ直ぐ見て言ってくれた。
『私が、どんな変なことを言っても、どんなに百が驚いても、最後には本当のことを言ってるって信じて。』
話してくれるんだ・・・・・・
ヤバい。
嬉しくて泣きそう。
「うん。約束する。例えAが、宇宙人でも信じる。」
笑うと思ったAは、少し寂しそうに微笑んだ。
『・・・・・・そうね。・・・・・・近いかもね・・・。』
【近い?】
聞こうとしたけど、話してくれるんだしいいかと思って、部屋を追い出してしまったマネ子ちゃんに謝ってから、ユキがいる部屋に戻った。
〜Aside〜
もう、黙っているのは無理だと思った。
百が、ずっと私の答えを待っていた。
話してて思った。
自分の発した言葉が、自分に返ってきていた。
大体の言葉は自分に返ってくる。
悪い言葉も、良い言葉も。
そういうもんだ。
でも、こんな形だと思っていなかった。
【日記帳を見せるのがいいのかな?自分で話すのがいいのかな?】
でも、未来の話は出来ない。
百が自己犠牲するのだけは嫌だ。
ただでさえ、自己犠牲するような人なのに。
【とりあえず万には報告しておこう。】
夜も遅いけど、明日には返事があるはず。
そう思って、ラビチャを開いた。
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作者名:miz | 作成日時:2019年4月19日 5時