朝の会話 ページ11
CDショップの影から百がRe:valeの棚を見ている。
私と千は少し離れた所でそれを見ていた。
かなり気づかれていて、どこからツッコめばいいのか分かんない。
でも誰も声をかけない。
昨日まで生気なくなりかけてた人とは思えない。
そう思ってると、ずっとパシャパシャ百の写真ばっかり撮ってた千が言った。
「A、今度の日曜のオフ空いてる？」
『うん、空いてるよ。』
「一緒に出かけよう。」
ん？
･･･珍しいな。
百と私が付き合いだしてから、時々迫る事があったり２人で食事とかしたりっていうのはあったけど、一緒に出かけようなんて言われたのは久しぶりだ。
『どこに。』
「ドライブデート。2箇所回る。」
『それ目的あるって事でしょ？どこ行くの。』
「昼頃迎えに行く。」
『･･･百に言っていいの？』
「いいよ。」
いいのか。
じゃあ真面目な話なんだろうな。
頷くと、ヤスで来てと言う。
そこも指定。
仕方ないなぁ。
「結構売れてた！ホッとしたぁ！」
『良かったね。』
百が来て頷きながら鼻メガネを取る。
「じゃあ天くんとのデート終わったら僕の家おいでよ。」
「え？泊ま･･･るのは今日は、ちょっと･･･」
百が珍しく千からの誘いを断ろうとしている。
千を見ると相当ショックだったのか、信じられない物を見るような目で百を見ていた。
『珍しいね。千のお誘いだよ？』
私が言うと、今度は百が私を見てショックを受けたような顔をした。
【え？なんで？】
『あの･･･私、何か悪い事言った？』
百はパンッと顔を両手で叩いてから笑う。
「何もない！うん、ユキの家に泊まる！一緒にお風呂も入っちゃう！ユキの髪の毛洗っちゃう！」
「え？お風呂？･･･いいけど。」
百が悲しそうに映るのはなんでだろう。
千の機嫌は直ったけど、私と百の間に何だか距離が出来た気がした。
天と猫カフェに行くための待ち合わせの為に駅の化粧室でメイクを落としてから行った。
天を待ってる間、さっきの事を聞こうとした時に、おかりんからグルチャが入った。
おかりんお休みの所、申し訳ありません。明日の午前のオフなくなりましたが良いでしょうか?
百と目を合わす。
ヤスいいよ。どうしたの?
百オレも良いよ!(^^
千僕もいいよ。
おかりん明日の午後からゼロアリーナの総支配人と話し合いが行われます。その関係で午後からの仕事を午前中にして頂きました。朝8時の予定です。
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月19日 5時
