笑顔のキミが好き 【千】 2

占いが出来る理由　3（大和ルート88と全文共通話。） ページ40

「この3人で食事したって千が知ったら、絶対に発狂するだろうな。」

『そうね。』

「･･･ユキがいない方が、2人は話しやすいかと思ったんです。ユキは、疑問を感じてないみたいだから。」

箸がピタッと止まる。
百が寂しそうに微笑んだ。

「食べ終わった後でもいいですか？バンさんとAの手料理、ちゃんと味わわないと勿体ないんで。」

ああ、こういう所が好き。
真摯に向き合ってくれる所。

「百くんは、いい子だよね。」

『うん。千や私には勿体ない。』

「そんな事ないです！オレなんてまだまだ･･････」

百には、言ってもいいかな？

千は歌や曲に対してストイックだから、話したら私が作詞作曲を手伝う事を嫌うようになるだろうし、距離が開いてしまう事は明白だしね。


『百。占いが出来る理由を知りたいんだよね？何でおかしいと思ったの？』

食べ終わってから聞いた。

「占いって、理由があって出来るようなもんじゃないなって思って･･････本とか見てやったりするもんじゃない？人に教えて貰ったり。そういうのが理由だっていうのでも納得出来るけど、でもそういうの、ないだろ。Aから聞かない。」

『うん。』

「しかも危ない事するなって、急にバンさんにも言われたって言った。バンさんの話は全くしてなかった。」

『そうだね。』

「バンさんに聞いたら、知らないとかじゃなくて、言えないって言った。それは理由を知っていて、本人じゃないからって受け取れた。」

「はは。俺のせいでもあったか。」

『万のせいじゃないよ。きっかけを作ったのは私。』

「話せば？大丈夫だよ。俺、洗い物しとく。」

万が洗い物をしてくれてる間、万に5年前話した内容と同じ事を百に言った。
百は茶化したり冗談を言ったりもせず、真面目に聞いてくれた。

【本当かどうかは二の次にしてくれて、全部聞いてくれる。】

万と同じだ。

昔、万に話した時も、その態度に救われた。
千やヤマさんは、そのままで受け入れてくれている事も救われているけど。

この世界の人たちは、皆が優しい。

例外もいるけど、そのきっかけは、その人の不幸がさせたものだ。
そこからどの道を選ぶのかによって変わっていく。

1度踏み外したら簡単に戻れない。
踏みとどまる努力を出来るかどうか。
元に戻る努力がどれだけ出来るか･･･月雲了がいい例だ。

話し終えて、百を見る。
万がお茶を入れてくれた。
百のももりんは、冷蔵庫に常備してあるのをコップに入れて出してくれた。

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