笑顔のキミが好き 【千】 2

あけぼのテレビ開局50周年パーティー　4　〜千side〜 ページ37

「ああ、そっか。だから仕事以外の連絡は電話でしてって言ったのか。了さんに会った事ないのによく分かるね。何かの拍子に万が一スマホ覗き込まれても仕事内容なら問題ないもんな。オレ、ラビチャ多いから。」

「何それ。僕、知らないけど。」

「え？オレだけ？仕事以外のラビチャ禁止令！」

仕事以外のラビチャ禁止令？

『全員を守るためだよ。』

「A･･････何を隠してるの。僕らの間に隠し事はなしだよ。」

近づいて詰め寄る。
狭い車内だから、すぐに距離はなくなる。

Aの瞳が揺れたのに気付いた。

「オ、オレ、別に大丈夫だよ！？電話でもいいし！了さんには、ヤスとは仕事以外の関係ないって言ってるし！ユキ、怖い顔もイケメンだけど、Aは女の子だから･･･」
「女だからって関係ない。」

「A、こそこそするな。危ないことしてないだろうな。」

Aは驚いた様に目を見開いて微笑んだ。

『･･････万と同じ事言うんだね。』

【万･･･？】

何でここで万？

不思議に思ってると、Aは真っ直ぐ僕を見た。

『危ないこと、してないよ。自信持って言える。こそこそは、してたかもしれないけど、百にお願いした以外の事は、何もしてない。』

「隠し事は？」

『うーん･･･占いが出来る理由だけかな。』

「「占いが出来る理由？」」

意味が分からない。
占いって、当たるも八卦、当たらぬも八卦だろう。

ちょっと先見が出来る位･･････。

【先見か。･･････その上で、ツクモの先手を打った？】

僕は、こういうのをよく考えるのは得意じゃないから分からない。
モモなら、Aと同じ事をしたかな。

モモも先を読むのは得意だ。

助手席にいるモモを見ると、難しそうな顔をして考えている風だった。

【珍しい。】

Aを見ると目が合って、居心地悪そうに下を向いた。

「A。･･････信じるよ。嘘をついてないし、演技じゃないこと位分かるから。」

弾かれたように、Aは顔を上げる。
ホッとした様に微笑むAの頭を撫でて、僕も微笑んだ。

モモが、何かを言いたげに、こっちを見ていたのにも気づかなかった。

占いが出来る理由（大和ルート86と全文共通話。）→←あけぼのテレビ開局50周年パーティー　3　〜千side〜

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