笑顔のキミが好き 【千】 2

彼女の実家へ　2　〜千side〜 ページ22

両親が言い合いをしていると、真っ赤な顔をしたAが言った。

『弱み握られてないし、こんなんでも一応好きなの。』

【A･･･】

ちょっと感動しかけたけど、こんなんでもって言った？こんなんでもって。

「こんなんでもって何。一応って何。」

『そのままの意味だよ。デリカシーはないし、言葉に容赦ないし、急に地雷踏む。』

「言葉に容赦ないのはAでしょう。」

『じゃあ他は認めるんだ？』

「万にもAにも言われたし、モモにまで言われたら認めるしかないでしょう。」

『本当に百にベッタリだね。』

「･･････ん？ヤキモチ？」

『はぁ！？違うわ！』

言い合っていると、Aの両親が笑っているのに気づいて口を開くのをやめた。

「仲が良いな。」

「こんな娘だけど、よろしくね。千くん。」

認めて貰えたのかな。
･･････結構、嬉しいもんだな。

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」

微笑んで言った。

Aの実家を後にすると、海岸沿いを歩いたり海鮮買ったりしてから、バーベキュー会場へ行った。

「これでいつでもお嫁に来れるね。」

『いやいや、千の実家に行ったことはないでしょ。』

「ああ、今度行く？結婚しますって言いに。」

僕が言うと、Aは真っ赤になった。

バーベキュー会場近くの駐車場に停める。

『なんでもう、決定してるの！』

「え？だって断らないでしょう。」

『〜〜！何なのその自信！』

「断る理由ある？」

言いながら、あるって言われたらどうしようとか思ってしまった。

だって前に、一緒に住もうって言って断られたから。

『千の根拠のない自信は本当に頂けない！』

【･･････断らないんだ･･････。】

嬉しくて笑うと、何が可笑しいのと、Aが真っ赤な顔で怒ったフリをしている。

「根拠はあるよ。Aは僕が好きでしょう？･･････これからも、僕だけを愛してね。」

真っ赤な顔で口をパクパクさせてるAに、すかさずキスをすると固まっていた。

「･･････かわいい。モモみたい。」

そう言って口を寄せようとすると手で塞がれた。

『百じゃない。』

「知ってるよ。」

『･･････百と比べないで。』

Aが泣きそうな顔で言うから、頭を撫でた。

「比べないよ。」

顔を寄せると、今度は受け入れてくれた。

しばらくそうしてから、皆の所へ行った。

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