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彼女の実家へ 〜千side〜 ページ21

Aの実家に着くと、さっきまでよりも緊張してきた。
髪の毛は結んだ。

ただ、付き合っている報告をするだけだ。

Aがインターホンを押す。

【世の中の夫って凄いな・・・こんなのを経験してるのか・・・】

ほどなくして、Aの母親が顔を出して僕と目が合う。
ペコリと会釈すると、嬉しそうに家へ招き入れてくれた。

笑えてたかな?
いつもAの前では格好つかないけど、こういう時くらい格好つけたい。

そんな希望は、無残に砕け散る事になると思わなかった。

通されたリビングで自己紹介をした。

「Aさんとお付き合いをさせて頂いています。折笠千斗です。」

「覚えてるわよ。無愛想だった千くん。」

【・・・あ。】

Aの母親が嬉しそうに言うと、Aは笑った。

『お母さんは、万のファンだったもんね。』

「そうね。万理さんは礼儀正しかったわね。」

コロコロ笑うAの母親は、確かに何度か会ったのを思い出した。

【うわー・・・恥ずかしい。格好つかない・・・】

戸惑ったような顔を浮かべている、Aの父親と僕をよそに、2人は楽しそうに会話を続けた。

「何で万理さんと付き合わなかったの?千くんだと大変じゃない?テレビでは良い人そうに見えるけど。」

『万は付き合うとかじゃないもん。口の悪いお兄さんって感じ。』

万は、いつからか妹みたいじゃないって思ってたみたいだけど。

「口は悪くないでしょう?人当たりもいいし。」

そんなに万が良いですか、お母さん。

『そりゃあ私と千以外にはね。千は昔より変わったんだよ。』

「千くん、美人だけどね・・・弱そうよね、色々。」

『ああ、まぁね。色々弱いよね・・・』

え?本人目の前にして、それを言うの?
・・・・・・あれだな。Aが時々辛口なのは母親譲りだな。

「お前達、本人目の前にして酷いこと言うな。・・・ごめんね、折笠くん。悪気はないんだ。」

「あ、はい。Aさんから、普段から結構言われ慣れているので大丈夫です。」

言われ慣れているのも変だけど。

Aの母親が、少し目を見開いて言った。

「この子、そんなに言うの?」

「はい。付き合ったの後悔しない日はないって言われたのが一番へこみました。」

『げ。』

両親がAを呆れたような目で見たのが分かった。

「A、なんて事言うんだ。」

「A、何でそんな人と付き合ってるの。弱みでも握られてるの?」

「いや、お前。そこじゃないだろう。」

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ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いえ!身内からのリクエストで既に万ルート希望の声があったので、構想はあるものの「あ、これ短い」と思ってお蔵入りの可能性はあったので、嬉しいです。ありがとうございます!頑張ります! (2019年4月18日 14時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 誤字ありました!万さんルートです。誤字失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ミズ ミズさんのストーリー展開が本当に好きで、万さん不ルートを作ってくださるだけで幸せです!ですから、大丈夫です!これからも応援しつつ、作品を楽しませていただきたいと思っています。これからも頑張って下さい!長文失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ええ、え、本当ですか!?正直駄目元だったので、とても嬉しいです!!万さんの立場も分かっているつもりですし、もう色々なルートを書いているミズ ミズさんも大変だとと思います。なので無理しない程度に、ミズ ミズさんの考えているストーリーを恵んで下さい! (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いつもありがとうございます!万ルートは、万が主人公の事を一番分かってる位置にいる為、この後のストーリー展開予定での葛藤が消化されやすくて、他ルートのネタバレ的な物になってしまうので、書くなら他が第三部途中位ならと思いますが、いかがですか? (2019年4月18日 14時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miz | 作成日時:2019年4月9日 10時

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