百の声 ページ2
百の歌声が聴けなくなった。
原因は千が万を探しているからだ。
あともう1つ。
私が気になっているのが、私と千が付き合ってる為、百自身が余計に疎外感が出てるんじゃないかって事だ。
百は5周年で終わりだと思ってる。
その先もあるのに。
芸能界に残るのは、百からすれば“ユキとヤスのカップル”だ。
自分は必要ないと思ってしまうかもしれない。
『百。今日夕飯、家に食べに来ない?』
事務所に戻ってきて帰る時、百に聞いた。
『千は今日は一緒じゃない。』
百も千も驚いていたけど、千にはきっと聞かせられない事を聞くつもりだから。
百と2人になるのは難しいから堂々と誘うしかなかった。
だって、大体どこでも千がついてくる。
それじゃダメだ。
「え・・・と、いいの?」
『うん。』
「じゃあ僕は帰るよ。」
千は気にしていないのか、そう言って事務所を後にした。
百が運転してくれて家に着く。
料理が出来るまで適当にテレビを見てもらった後、食事をした。
『ねえ、百は万に会いたいと思う?』
百の箸が止まる。
真っ直ぐ百を見ると、目が泳いでいた。
「なんで・・・」
『今日夕飯に誘ったのはね、百が万に会いたいかを聞きたかったの。・・・・・・千がいると、言えないでしょ?』
そう言って笑った。
『千は会いたいと思ってるけど、百は答えが出ないかな?ごめんね、嫌なこと聞いちゃって。』
「嫌じゃないよ!オレ、バンさんのこと凄く尊敬してるし大好きだよ!・・・でも・・・」
百が泣きそうな顔をしている。
きっと、色々な葛藤があるんだろう。
『いいよ。私は最初から、万の事探さないって言ってるでしょ?探すのも探さないのも自由。万が会いたくないと思ってたら、きっと見つからないと思わない?』
ちょっと冗談っぽく言う。
実際に万に会っているって知ったら、どうするんだろう。
いや、言えないけど。
「・・・え?バンさんが、会いたくないと思ってたら?」
『例えだよ。』
笑いながら食べ進んだ。
百も食事を再開する。
『あと、私と千が付き合ってるからって遠慮しないでね。千は百に遠慮されるときっと寂しいよ?私も寂しい。2人共、百が大好きなの。自信もって欲しいな。』
百が困ったように笑った。
『冗談じゃないんだよ?私の初恋は百だし、好みのタイプは百なんだから。』
「えっ!?うえっ!?」
百が真っ赤になって箸が止まる。
『からかってないからね?』
念を押すと、小さく「はい。」と言って、食事をしてくれた。
164人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いえ!身内からのリクエストで既に万ルート希望の声があったので、構想はあるものの「あ、これ短い」と思ってお蔵入りの可能性はあったので、嬉しいです。ありがとうございます!頑張ります! (2019年4月18日 14時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 誤字ありました!万さんルートです。誤字失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ミズ ミズさんのストーリー展開が本当に好きで、万さん不ルートを作ってくださるだけで幸せです!ですから、大丈夫です!これからも応援しつつ、作品を楽しませていただきたいと思っています。これからも頑張って下さい!長文失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ええ、え、本当ですか!?正直駄目元だったので、とても嬉しいです!!万さんの立場も分かっているつもりですし、もう色々なルートを書いているミズ ミズさんも大変だとと思います。なので無理しない程度に、ミズ ミズさんの考えているストーリーを恵んで下さい! (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いつもありがとうございます!万ルートは、万が主人公の事を一番分かってる位置にいる為、この後のストーリー展開予定での葛藤が消化されやすくて、他ルートのネタバレ的な物になってしまうので、書くなら他が第三部途中位ならと思いますが、いかがですか? (2019年4月18日 14時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miz | 作成日時:2019年4月9日 10時