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彼らのアツイ戦いにやっと終止符が打たれ、短冊へと向き直る。
唸りながら子供と一緒に願い事を考えていると、いつのまにか彼女だけが取り残されていた。
「まだ決まらない？」
「うーん、そうなんだよね」
見かねた緑川は近くの椅子を引き寄せ、一緒に考えることに。
……と、いっても物欲もなくなりつつあったAにはどんなに考えても決まらない。
「……あ、いやでも、これは絶対叶わないし……」
「一応書いてみれば？」
基山に促されるがまま一枚目を書いたが、やはり無理だと笑ってぐしゃぐしゃに紙を丸め込み、ゴミ箱へ捨てた。そしてニ枚目の短冊に手を伸ばしてはスラスラと文字を書いていった。
「これでいいや」
二枚目の短冊に書かれた願いは、美味しいものが食べられますように。
無難で、女子高生の願いとは思えないくらいつまらない願いを七夕用の笹にかけ、緑川に礼を言って瞳子の元へと駆けていく。
取り残された緑川。
先程までの光景を見守っていた基山は緑川へと近寄り、Aが捨てた一枚目を拾い上げる。
内容を確認し、二人は眉を八の字にしながら顔を見合わせた。
「……随分と、根に持ってるみたいだね」
「そのくらいショックが大きかったんだろうな」
二人は悲しそうな表情を浮かべながら、一枚目の短冊をゴミ箱へ捨てた。
この願いは叶わない。
出来れば叶ってほしくない。
そんな想いを抱いて。
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maya(プロフ) - 押し付けがましくない愛されが何ともキュンキュンします！更新待ってますので、応援してます (2021年7月3日 8時) (
レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年1月14日 18時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずあめ＠おれんじ
| 作成日時：2020年9月27日 19時
