検索窓
今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:134,202 hit

ページ10

宏太side


彼は言っていた通り18時過ぎに我が家へとやってきた。


慧「おじゃましまーす!」



「侑李くんお誕生日おめでとう!」



侑李「……ありがと、」



珍しく人見知りを発揮している侑李。



慧「これ、お兄ちゃんからのプレゼント。」



侑李「開けていいの?」



侑李が袋を受け取り、箱を取り出して開けるとそこには4年前食べたものと同じロールケーキ。



侑李はそれを見た途端俯いてしまった。



侑李「ぼく、食べられない。……たべれないもんっ、」



慧「食べられるよ。侑李くん。」



嫌がらせをされているようで悔しかったのか侑李もなかなか泣き止まない。



慧「侑李くん。これね、お米の粉で作ってるんだ。」



侑李「……おこめっ?」



慧「侑李くんが食べられるように作ったんだよ。」



侑李「……ほんとにくるしく、ならないの?」



慧「うん。お兄ちゃんが保証する。」



侑李はフォークを手に取り、恐る恐るケーキを口に運んだ。



侑李「……っ、ぅっ、……おいしいっ、」



久しぶりの大好きなケーキ。



小麦粉が米粉に変わっただけで味付けは変わっていないから、あの日たべたケーキそのまま。



侑李はその味を思い出したのか再び涙を流し始めた。



侑李「ありがとっ、ぼくね、このケーキ、一番すきだよっ、!」



あの時伝えられなかった感想。



慧「こちらこそありがとう。凄くうれしいな。」






その誕生日の日を経てから、前より少し前向きになれた侑李。


侑李「ねぇ!あのケーキたべたいな!」



宏太「ご飯いっぱい食べたらな?」



侑李「うん!いっぱい食べる!」



伊野尾のロールケーキのお陰で前よりご飯を沢山食べるようになった侑李。



侑李「パパの作った料理、美味しい!」



「おかわり!」



宏太「はいはい。ゆっくり食べなね。」



侑李が笑ってからっぽのお茶碗を掲げる姿を見て、俺は涙を堪えきれなかった。








「思い出の味」/end







こちら質問箱からのリクエストでした!

今まで書いたことの無いようなお話で、リクエストいただいた途端に書きたい衝動に駆られました笑

素敵なリクエストありがとうございました!



カンパニュラ→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (120 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
458人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , 病系 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りー。 - コメント失礼します!主様の作品とても大好きです!まだ読んでる途中ですが、もしよろしければHOPEの続きを出していただきたいです。検討よろしくお願いします。 (2021年2月10日 23時) (レス) id: 669c167ab0 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 凪さん» 読んでいただいていると聞いて一人でにやけてしまいました笑 これからも素敵なお話、待ってます。 (2020年7月4日 21時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 青空と虹さん» コメントありがとうございます( ; ; )私も主様の作品読ませて頂いたことあります!特に「不器用兄弟」がすごく好きです。 スローペースにはなりますがこれからも読んでいただけると嬉しいです (2020年7月4日 13時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - こんにちは、いつもお話読ませていただいています。あたたかいお話が沢山で、いつも読み終わると満足感というか、胸がいっぱいになります。これからも、あむさんのペースで更新して頂ければ嬉しいです。いつもありがとうございます。応援しています。 (2020年7月4日 3時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あむ | 作成日時:2020年6月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。