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あなた side
ほっくんと私はおうちがお隣同士の所謂、幼なじみ。
物心ついたときから私の世界にはほっくんがいた。
けれど、成長していくにつれて分かったことがある。
ずっと肩を並べて成長してきたはずのわたしたちが急に切り離されたのは小学校に上がるときだった。
ほっくんは障がいを持っていて、普通の学校には行けないとお母さんから聞いた時。
その頃から、周りの大人によって私とほっくんの間に勝手に線引きがされた。
私にとっては、ほっくんと一緒にいることの方が大切だったから今でもこうして隣にいる訳だけどまだその選択が正解だったかは分からない。
『んぁあ、んぅ』
「あ、初めてみた。可愛いお花だね。」
この前は咲いてなかった花が、道端にちょこんと可愛らしく佇んでいた。
他の人が誰も気が付かないような街の変化にほっくんはいつでもすぐに気付いちゃうの。
綺麗な人差し指で優しくお花を撫でながら、肩をきゅううっと上にあげて微笑んでいる。
わたしはほっくんのこの横顔を好きになった。
分厚い雲の切れ間から、漏れこんでくる一筋の光のような。
春の日に、たんぽぽをゆらすそよ風のような。
あたたかく希望に満ちた、あどけない笑顔。
嫌なことも辛いことも何もかも忘れさせてくれる魔法なの。
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作者名:ばにら | 作成日時:2021年10月21日 11時