推し事、辞めました。【紫】

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Aside





その時は意外と早く来た。



なっちゃんに報告した今日もバイトだった。


めんどくさいなー、と思っているとお客さんが来た。





「いらっしゃいませー」





と、言ったと同時に出入り口を見る。





「なっ、」





また来た…！


それに背の高さを見てわかる、

しょっぴーとめめも一緒！


あぁーっ、神様ありがとう…。

それと、バイトめんどくさいとか言ってごめんなさい。



すると、





西野「Aちゃん、もうあがっていいよ？」


「えっ、もうそんな時間ですか！？」





時計を見ると23時15分。

私のあがる時間だ。


でもふっかさんとしょっぴーとめめいるし…、





「も、もう少しやらせてください！」





と、頭を下げ、普段なら絶対言わないことを言った。


時間になったら颯爽と帰って行く私がこんなこと言うなんて珍しいことだ。





西野「あれーっ？普段はそんなこと言わないのに」


「きょ、今日はそういう気分なんです！」


西野「別に給料上げてあげないからなー」


「大丈夫です！」


西野「今日のAちゃん不思議ー。じゃあ、あと15分よろしくね」


「はい！ありがとうございます！」





よっしゃ！

と、効果音がつきそうなガッツポーズをする。


推しを眺められる…。





「これ、」


「あっ、すいません」





レジ待ちのお客さんのこと忘れてた…！





「コロッケ一つ」


「わかりました、コロッケ一つですね」





小さな紙袋にケースに入ったコロッケを入れる。



あーっ、推しを見たい…、けどまずは目の前のお客さんを優先しないと。





「お箸はいりますか？」


「お願いします」





お会計もして、と。





「ありがとうございましたー」





ふーっ、やっと推しを眺められるー。

…って、あれ？いない？

あ、いた。

なーんだ、ビックリさせないでよー。


あ、推しがお酒選んでる。

私も同じの買って帰ろー。


あっ、こっち来る！



ガタン、と音を立ててふっかさんがカゴを置いた。





「いらっしゃいませー」





平常心を保ちながら、商品のバーコードを読み取る。



ファンのみんな、私を褒めてくれ。

こんな平常心を保ててるなんてすごいよ。


それに、プライベートを邪魔したくないから何も言わないっていう我慢してるのも褒めて。

ほんとは「Snow Manの皆さんですか？」って言いたいところなんだよ…。



すると、





蓮「俺たちのこと知ってます？」





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