先生と私【3年A組】#4

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先生はみんなの私物を集めた白い袋とパソコンを持って私に視線を向けた。
私は持っていた袋をそのまま持ち直すと
先生のあとをついて行こうとした…が…




美『あっ、手伝います』

『…………』

柊『見ればわかるだろ
春が手伝うから必要ない』

美『っ……渡海さん、小さいから!!
私も手伝うよ!!ね?渡海さん!!』

柊『………勝手にしろ』




別に大丈夫なのにな。
結城さんは私の持っている袋に手を伸ばし
本当に一緒に教室を出てきたのだった。





柊『春、こっちに持ってきて』

『はい…
っ!?』




持っていこうとすると、結城さんに掴まれて
身動きが取れなかった。
結城さんの手は袋の中に入ってて
多分手探りでスマホを探してるんだろう。




『………何してるの…』

美『見逃してよ、渡海さん』

『…………先生の邪魔しないで』

美『はぁ?
っていうか、私アンタの事なんてどうだっていいから…
私の事チクるんだったら、先生とアンタのことMind Voiceに拡散してやるから』

『っ………』




今はまだ…ダメ…
せめて私が卒業しなきゃ…




『卒業後ならいくらでも書いていい』

美『………見逃さないって言うなら今ここで書く』

『…………わかった…』




私は結城さんを止めるのを諦めて
そのままスマホを持たせて教室に戻らせた。
残された袋を引きずって準備室に持っていくと
先生はモニターをじっと見ていた。




『………ごめん、先生
結城さん、スマホ持っていくの止められなかった』

柊『ああ…
まあ、いいよ
アイツには一働きしてもらうつもりだから』

『え?』

柊『違うよ、協力者じゃない
アイツを利用するってだけだ』

『そう…
………一颯先生』

柊『ん?……っ!!』




私を見た先生の眼鏡をスッと取って
私の眼鏡と付け替えた。




柊『…………』

『私は一颯先生の事信じてるから』

柊『………ああ…
…………春、俺の眼鏡かけても似合ってるな』

『そーかな?』

柊『でも…お前には俺の眼鏡は弱いだろ?』

『うん
先生の顔少しぼやけてる』

柊『じゃあ、返せ』

『………でもここまで近づけば見える』




鼻がくっつくくらいに近づく。





柊『………お前さ、赤くなるくらいならやるな』

『っ……』

柊『まぁ、そんなとこが可愛いんだけどさ…』




キスせず、そのまま離れると
かけていた眼鏡を取られて、私の眼鏡をかけ直される。




柊『ほら…教室に戻れ
きっと教室で話し合いが始まるぞ』

『わかった…』

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