先生と私【3年A組】#4

3月6日 ページ42

目を覚まし、スマホを見ると
時計は朝の5:00を過ぎたところだった。
先生に会いに行こうと起き上がり
自分に掛かっていたブランケットを未来に掛けて
静かに教室を出た。




『先生…』

柊『ん、起きたのか…』




先生を呼ぶと、柔らかく笑った先生が顔を出す。
…………好きが溢れる…。
先生に抱きつくと、抱きしめ返してくれた。




柊『ん……春…
今日の課題は…また嫌な事を思い出す事になる』

『…………武○の事…?』

柊『ああ』

『……………平気だよ
あの人が捕まるなら…』

柊『……そうか…』




先生から離れると、棚からスケッチブックを持ってきて、先生の目の前に座る。




柊『なんだよ』

『先生描きたいから…
いつ描けなくなるか分かんないから…』

柊『それなら俺も描くか』

『ふふっ
こうやって先生と向き合って描くの久々だね』

柊『そうだなぁ…』




先生もスケッチブックを持ってきて私の目の前に座る。
私を描いてくれる姿を先生を私が描く。
先生を描く私の姿を先生が描く。




『…………』

柊『春さ、今楽しいか?』

『………楽しい…けど…』

柊『けど?』

『もっと……死ぬのが怖くなった』

柊『………』

『先生とおにいと離れるのが嫌で…死にたくなかった
ここ数日はさくらや香帆、未来、華…
○、賢くん、海斗くん…みんなと普通に話せるようになって…死にたくないなって思った』

柊『……そうか…』

『………悲しそうな顔しないでよ』

柊『嬉しいんだけど、なんか春が遠くに行っちゃいそうで』

『私は絶対に先生から離れない』

柊『…………その言葉が俺の最高の薬かもな』

『……何それ笑
………喜んでくれるならいくらでも言うよ』




と、朝のHRが始まるまで2人向き合って絵を描き続けていた。
大事な…大事な時間だ…。

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