先生と私【3年A組】#4

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*Ibuki Hiiragi side*


眠る春の衣服を整えて
身体を抱き寄せる。
春の鼓動が…俺に伝わって…
春の存在がすぐ側にあることを実感する。




さっき春が泣きながら…
避妊具をつけるのを止められたのが脳裏に浮かぶ。
俺だってさ…出来ることならそうしたい…。
死ぬ前に春との子供…欲しい…
でももし俺が死んでしまったら?
春に負担を残して死んでしまったらどうするんだ?
あと、春の心臓の病気に負担がかからないわけがない…。
子供が出来たことで春が万が一死んでしまったら?
そんなの俺が耐えられるわけがない…。




春には見せられない…。
こんな…情けない涙流してる姿なんて…。
俺は声を殺しながら泣く。
涙がどんどん溢れてくるが
止め方が分からない…。



春に涙を流しているのを見せてしまったのは
人質にしてアイツらに説教してやった時以外だと
本当に1度だけ…。
春が1年の時
俺が再発を宣告されて、入院をする話を春にした時だ。




*




*




『……やっぱり…具合悪かったんですね』

柊『…うん』

『柊先生…ちゃんと直して戻ってきてください
私、先生がいなきゃ学校でずっと1人ですよ』

柊『……っ』

『先生が…帰ってくる場所…で…私もちゃんと待ってます…』




*




*





帰る場所…そんなことを
あの時の春が言ってくれるなんて思わなくて
泣くな…泣くな…って思っているのに
耐えきれずに涙が零れてきて
そのまま春を抱きしめて泣き続けた。
この時から…春の前で泣くことを封印した。
まぁ…春の前で泣かないだけで
1人の時とか、春が寝てる時は
こうやって涙が零れてしまう時が増えているが…。





なぁ…春?
俺も春との子供欲しいよ…?
でも…その前に大事なことがまだあるから…。




柊『……春…生きような…
俺の…叶えたい事…春と一緒にずっと生きていくことだから…
だから……死ぬな…俺も死なないから…』

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