''俺でも''''私でも''いいですか？

5 ページ5

あれからなかなか会うことはなくて。






まぁ、これだけ人のいる東京で特定の1人と偶然会うなんてなかなか難しい。







でも、なぜか知らないけど会う気がする。






いつかまた後ろから｢あのー。｣って遠慮気味に声掛けてくれる気がしてる。







｢まぁ、そんな偶然簡単に起こるわけないかぁ！｣








？｢あのー｣






｢え？！｣







？｢いや、声で気づいたんで。
前に声掛けてくださいって言うてましたよね？｣







｢え？声？もしかして私なにか喋ってました？！｣






？｢喋るっていうか、でっかい独り言言うてはりましたよ？笑｣






｢うそ！ごめんなさい！｣






？｢俺からしたらわかりやすかったですけど。笑｣







｢あ！これ！渡したくて！ずっと待ってたんです！会えるの！｣







そう言ってこの前いつかまた会えた時に渡す為に購入したハンカチを渡す。






｢何がいいかわからなくて。これなら日常でも使えますか？｣






？｢別にええのに。｣







無愛想にそう言いながら口角が上がってるのを私は見逃さない。






｢･･･恥ずかしがり屋さんなんですね。笑｣






？｢へ？｣






｢なんでもないです。笑

あ！後これ！おすすめ！あげます！｣





そう言ってスーパーの袋から取り出した物は






？｢お酒？｣





｢はい！柚子焼酎であそこのスーパーの横にあるお酒屋さんにしかここら辺じゃ置いてなくて。
めっちゃ美味しいんであげます！｣




？｢いや、もうこれ貰いましたし｣





｢お酒苦手ですか？｣





？｢いや、呑むんですけど｣





｢じゃあお試しで！｣




？｢じゃあ、、、。ありがとうございます。｣






素顔にうけとってくれた彼は少しぶっきらぼうな子供みたいだった。

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す