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「だめだめだめだめーー!!!」
私が突然叫んだからか、周りがしんと静まりかえる。みんなキョトンとした顔をしていて、時間が止まったかのように感じてしまう。
あああー!何やってんだ私!!!
奇襲かけるんじゃなかったのかよ私!!!
みんなに注目されちゃってるよ私!!!
目がぐるぐると回り、汗が伝ってくる。
混乱、大混乱。思考がまともじゃない気がする。
そんな中、悟が口を開いた。
「お、おい…?どうした?」
「この行動は評価できないかな…でも、お陰で命拾いしたよ」
ありがとう、とにっこり笑う傑くん。でも、違うんだよ。やりたかったのはコレじゃないの。
みてるだけじゃなくて。
守られるだけじゃなくて。
助けてあげたかったんだよ…!
まだ戦いが始まっていないので、今行動を起こすしかない。
悟の袖をくいっと引き、耳打ちをする。
「ねぇ、私が隙を作ってみせるから、一斉に逃げよう」
「…は?」
「成功するから、逃げようよ。ダメだよ、今は」
____戦っても負けちゃうよ。
私の言葉に、悔しそうに顔を歪める悟。
わかってるからこそ挑みたいんだろう。何処まで追い詰められるのか…とか。
でも、ダメ。私は死にたくないから!!!
傑くんにもこの会話が聞こえていたのか、すぐさまに「危険だよ」といってくる。
恐らく、隙を作るという言葉に対してだろう。
「大丈夫。私を信じて?」
「…わかった」
じっと目を合わせ、揺るがない視線から諦めたのだろう。不安そうな表情は拭えないが、肯定はしてくれた。
…まぁ、そうだよね……
こんな小さな子供の言うことだもん。
それだけでも十分。
堕氣はKYでは無いようで、「あ、話は終わったの?」と余裕のある声で問う。
「作戦でも考えた?でもね、ボクの術式の前じゃあ何をしても…」
「ちょっと、いい加減に煩いよ。
馬鹿ほどよく話す…みたいなのあったよね?
きっと、君のためだと思うんだ」
「…可愛いけど、生意気なんだね。
ふふ、調教しがいがあるね」
変態かっ!!!
少し怒気を孕んだ声で言う堕氣に、思わずビビり散らかすが、バックに佇む2人のことを考えると、勇気を持って、堂々としていられる。
堕氣から逃げる作戦は単純なこと。
ツーマンセルで攻撃を仕掛ける。
私が奇襲をかける。
逃げる。
…私、逃げられるかな……
不安になってきた。
だって、この中で一番足遅い自信しかない。
だが、時とは無情に過ぎ去るものであり、2人の攻撃が始まった。
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琉亜 - かっこよみんなちな三輪ちゃん最推し推しです (2023年2月24日 3時) (レス) @page5 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - れいなさん» オチはないと思います!!誰かとくっつけたりしても面白そうですけど、わたし的に「誰か一人を選ぶことなんて出来ないッ!」みたいな考えなので……れいなさんがオチの欲しい方でしたらアンケートでもとって決めたいですね💕 (2022年3月15日 18時) (レス) @page45 id: 12c96b02fb (このIDを非表示/違反報告)
れいな - これってオチとかあるんですかね・・・? (2022年3月8日 23時) (レス) id: 9244dafa1b (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - ren2230011さん» ありがとうございます!実況者さん好きなんですよねぇ…(しみじみ)案外気づいてくれる方多いのでもっとふやしてみようかなwこれからま更新頑張ります! (2021年5月16日 23時) (レス) id: 30d5dd2d2c (このIDを非表示/違反報告)
ren2230011(プロフ) - 呼んでいたら突然青鬼さんのぽまえらが出てきて思わず吹きました。凄く好きです!頑張って下さい! (2021年5月16日 22時) (レス) id: 041c7a56e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みわちゃん | 作成日時:2020年8月2日 18時