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「お、やっと来たか!」
「遅れてすみません、本日付でお世話になります、AAです」
「え〜!なになに!?おれ聞いてないんだけど!!」
聞いてないってことはないでしょう……でも突っかかるのは面倒なので近づいてきたサングラス男の横を通り抜け、
まずは4機捜の班長に挨拶するのが礼儀だろうと、エプロンを着た人に近づく。
「陣馬さん、ですよね。よろしくお願いします」
「おう!よろしくな嬢ちゃん!!」
「伊吹藍ちゃんでっす!」
「はじめまして、志摩一未です。」
「九重世人です」
3人にも同じように「お願いします」とお辞儀した後、昼食を作っている陣馬さんと志摩さんを手伝おうとした。けど
……そういえば私料理できないや
と大人しく席に着く。
向かいに座る伊吹さんのほうをちらっと見ると始末書を書いていた。
…始末書?今日が始動日のはずなのにもう何かやらかしたのか。
「午前中何かあったんですか」
「ん?まあちょっと」
「北向島交差点で急行事案が発生しました」
伊吹さんを遮って九重さんが教えてくれた。目は合わないけど。
「内容は?」
「男性同士の喧嘩だと聞いて401が現場へ行ってみれば、伊吹さんとドライバーが喧嘩してました。」
どういうことかと問い質せば、伊吹さんは「煽られてもなめられないようにしなきゃじゃん!?」と悪びれることなく言い切った。わ、すごい。
多分この人見た目だけでなく中身もヤンキーだ。ため息が出そうになるのを堪えて、未だパソコンと向き合う九重さんにナンバーなど詳細を聞いた。
「Aちゃんって真面目だねー」
「当たり前ですよ。私も404に同乗するので把握しとかないと」
「え!?俺らと一緒なの?」
隊長から話を聞く限りそうなのだが、不安になって志摩さんのほうを見ると「Aさんの言うとおりだよ」と同意してくれた。これからは伊吹さんじゃなく志摩さんから話を聞こう。
そうこうしていると無機質なタイマーの音が室内に響いた。
「よし、茹で上がったな!」
陣馬さんがガスコンロの火を消して鍋を持ち上げると、志摩さんは笊を持って窓を開けた。
何するつもりなんだろうと思って見ていると、
「うわー、外から丸見え」
「いんだよいんだよ!!」
と言って窓から湯切りをし出した。
3階から湯切りって…
何この人たち。マメジってば私じゃなくてこの人たちを注意した方が良かったじゃん。
母さん、今日も元気にやってるよ。
遠い目で合おう思った。
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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時