dryflower 〜 sho.hirano 〜

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客数も少なくなって一段落ついたときに
“ Aちゃんも廉くんももうあがっていいよ！ ”
って声が店の奥から聞こえてきた







廉『Aちゃん今日は帰り電車？』







明日は大学があるから真っ直ぐ家に帰る



紫耀が迎えにきてくれないバイト終わりは
少し憂鬱だ







「はい、今日は電車です」







廉『じゃあ駅まで送ってく』







「え？」







廉『帰り道駅の前通るからさ』







颯爽と言い放つ廉くんとは裏腹
私はその場で固まってしまう







廉『どしたん？』







「いえ、ありがとうございます」






廉くんとは長く一緒にバイトしてきてるけど
今まで1回だってこんなことはなかったから
戸惑いと疑問が交差にやってくる







「あの」







廉『ん？』







「もしかして気使ってくれてますか？」







単純に気になって聞いてみたら
廉くんは少し困ったように笑った







廉『俺が帰り道寂しいだけやから気にせんとって』







哀しさが垣間見える姿を何故か見逃せなくて、







「話し相手がいる帰り道って嬉しいです」







ありがとうございますって伝えたら
今度は満足そうに笑うから
私もつられて少し頬が緩んだ









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