dryflower 〜 sho.hirano 〜

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「香水の匂いって意外と染み付いて取れないね」


平『んー？』







私を自分の脚の間に座らせ直してから

後ろから私の腰に手を回し、

肩に顎を乗せ目を瞑る紫耀に

ただ淡々と話しかける







「お風呂入ってるはずなのにいつものしょうの匂いがする」







目の前に回された腕を握って

右肩にある重みに顔を傾け預ければ

すぐ隣から心地よいリズムの

呼吸音が聞こえてきて

深く、深く、またハマっていく







「しょう？」


平『なに？』


「大好き、ずっと」







紫耀は永遠って言葉が嫌いだ







平『俺は愛してるよ』







ずっとって言葉を避けたがる。

永遠を口にする度あからさまに

寂しそうな顔をする姿を

何度も何度も見てきたから。








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「あ、灰皿…」







机の上に無造作に何本も煙草が捨てられた

灰皿を見て思わず言葉が零れた







平『あぁ、ごめん。片付けるの忘れてた』







感じていた温もりがなくなり

灰皿を持ち立ち上がる手を引き止める。

離れて欲しくなくて、

ずっとずっとこのままでいたくて。







「いいよ、このままで。片付けなくていい」


平『どうした？』


「行かないで」


平『今日すごい甘えたさんやな(笑)』







小さい子を宥めるように

よしよしって頭を撫でられる。

思わず笑みが零れた私は紫耀からしたら

まだまだ子どもにすぎないのだろう。







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