dryflower 〜 sho.hirano 〜

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バイトが終わるのが遅い時間の日は

いつもこうやってバイト先まで

迎えに来てくれて

“ お疲れ様 ” っていつも同じ言葉をくれる、







そして、疲れ切った身体を癒すために

家に帰ってきたらすぐに

お風呂に入れるように

準備をしてくれていて

私があがると続けてすぐに

紫耀が入っていく。







彼は普段そんなに感情を

わかりやすく表に出す方じゃないし、

何を考えているのかわからないことも

多々あるけれど、

絶対に私に嘘はつかないし

私が欲しい言葉を欲しい時にくれる。







平『サッパリしたー』


「はやく髪乾かさなきゃ風邪ひくよ」


平『ん』


「ほら、はやく」


平『乾かしてー』







フワッと香るシャンプーの中にまじる

甘いバニラの紫耀の香り








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平『どした？』







髪を乾かす手を止めて

まだ乾ききっていない髪の毛に

ゆっくり指を通す







少し明るくなった髪色を見て

色落ちしてきたな、

なんてそんなことを思いながら。







平『A？』


「ん？」


平『ふふ、おいで』







紫耀の香りに包まれて

厚い胸の中に飛び込むこの瞬間が

私にとって世界で1番幸せな時間だった。









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