dryflower 〜 sho.hirano 〜

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神『よいしょっと、、』







いつも紫耀が座るソファの定位置に静かに降ろす






「あの、ありがとうございました
タクシー代まで払ってもらっちゃって」






神『いーのいーの、気にしないで』






勇気を振り絞って喉から声を出す


無意識で力を入れすぎた手のひらには
爪がくい込み跡を残す






「ひとつだけ、聞いてもいいですか？」






神『ん？なに？』






「しょうって大学でどんな感じなんですか？」






神『え？』






まさかそんなことを聞かれると思ってなかったのか
ポカン…と少し口を開けて私を見つめる


何か失礼なこと言ったかな、と焦っていると
笑い声が上から降ってきた






神『あはは！Aちゃん面白いね、気に入った！』






「えっと……」






あはは…といかにも作り笑いを浮かべる






神『ごめんごめん、紫耀のことだよね』






大学での紫耀を知らない私は少し身構えた






神『まぁあの顔面だしね、それなりに…てか、
だいぶモテるよ』






「です、よね…… (笑)」






神『でもさ、Aちゃん他にもっと聞きたいことあるんじゃないの？』






神宮寺さんの言う“ 他に ”っていうのは
きっとさっき紫耀の隣にいた綺麗な女の人のこと






神『不安なんでしょ？』






なんて他人行儀な言葉


そりゃ、不安だよ


無理矢理違うことを考えようと思っても
1人で立てない紫耀が肩に腕をまわし
身を委ねる姿がフラッシュバックする






神『気になるんだったら紫耀に直接聞いたらいいよ』






「教えてはくれないんですか？」






神『俺から話せることはもうないよ、
あとは紫耀に、ね？』






紫耀とは違う細い指が髪が伸びてきて
そのまま撫でる仕草に思わずビクッと反応する






神『はは、ごめんごめん (笑)
紫耀のことあとはよろしくね、じゃあまたね』






またって言葉に引っかかったものの
玄関まで送り届けて
すやすや眠る紫耀の隣に腰を下ろす








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