検索窓
今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:2,591 hit

ページ41

「!」




反射的に後ろに下がろうとしたが、机に脚をぶつけてしまった。




よろけた体を支えるためにユウが机に手を突いたとたん、オルゴールが下に落下した。




「危ない!」




ハッとしたユウは地面につく寸前のところでオルゴールを受け止めた。




オルゴールのねじがユウの手に当たった瞬間、さっき鳴りやんだ筈のオルゴールが再び鳴り出した。




少女はユウに襲い掛かることなくただ部屋の前で呆然と立ち尽くしている。




「繧ェ繝ォ繧エ繝シ繝ォ縺ョ縲?浹窶ヲ」




ユウは襲ってこない少女に不信感を抱いていると、日記のページがひとりでに捲れ始めた。




最後のページに差し掛かる。




しわしわになった最後のページには、まだ何か書いてあったようだ。






きょう は わたし の たんじょうび




おとうさん が おるごーる を くれた




てんし が ついている おるごーる




ねじ を まわす と やさしいおと が した




この おと を きくと




さびしいきもち が ふきとんじゃうの




わたし の たいせつ な たからもの




ずっと たいせつ に するからね



すべての文を読み、顔を上げると目の前にはユウを追いかけた少女のドレスを着た金髪のロングヘアの女の子が立っていた。




突然のことに戸惑ったが、それよりもユウはあることに気が付いた。




少女が泣いている。




声を上げて大泣きしているのではなく、嗚咽しながら涙をひとつ、またひとつと目からこぼれさせている。




そして言葉を絞り出すようにぽつりぽつりと言葉を発する。




「会いたい、よぉ…寂しいよぉ」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , ファンタジー , オリジナル作品   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年4月9日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。