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「窶ｦ莠ｺ髢凪?ｦ?鬆ｭ窶ｦ?」
突然、さっきの光景は嘘だったかのように、少女は勢いよくユウに突進してきた。
すると今まで金縛りを受けているかのように動かなかった足が呪縛から解き放たれたかのように軽くなった。
ユウは反対方向へ走り出す。
少女は何かをぶつぶつ言いながらユウを追いかけてくる。
このまま走っていたらいずれ追いつかれてしまう。
ユウはこの少女から逃げ切るためにいい策はないかと必死に考えた。
こういう時に限って中々思いつかないものだが。
どうしようどうしよう…！
無限のように続いていた長い長い廊下を駆け抜け、曲がり角に差し掛かった。
ユウはカーペットに足を滑らせながらもなんとか曲がりきる。
するとすぐ右手に扉が見えた。
何の部屋かは知らないが、とりあえずそこに逃げ込もうと目星を付ける。
ユウが部屋の扉に手をかけた直後、
ドゴッ
曲がり角のところで何かがぶつかる音がした。
ユウはドアの陰に隠れると、恐る恐る先ほど曲がってきた曲がり角を見た。
「！！」
曲がり角にぶつかったらしく、ふらふらと足をもつれさせる少女。
ぶつかったと思われる箇所には赤い何かが飛び散った痕がある。
――あの子は急には曲がれないんだ。
少女は無い筈の頭を抱えるような仕草をすると再び足を引きずりながら建物の中を徘徊し始めた。
どうやら逃げ切れたようだ。
ユウはほっと息をつくのだった。
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作者名：あまちゃん | 作成日時：2023年4月9日 22時
