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しばらくローリーについて行くと、深い森の中に入った。先に進む為の道の幅はとても狭く、獣道のような感じだった。
時々オーブのような物体がふわふわと浮遊しながら目の前を通り過ぎていく。
真っ暗な森の中で発光する幾つものそれは、この空間をとても幻想的なものに見せている。
あれは一体何だろう？
ユウは不思議に思いながらオーブを目で追った。
「もうすぐ着くよ」
ローリーは前を見ながらユウに話かけた。
そして二人は森の開けた場所に出た。
そこには大きな湖があり、その周りには色とりどりの花々が咲き乱れていた。
先程から夜が明けないのには変わりないが、
湖の水面に映るオーブが美しく、思わず見惚れてしまう程だ。
ユウは息を飲むように美しい光景に見入った。
そんな彼を見て、ローリーは優しく微笑む。
「あ！ローリーだ！そっちにいるのはお友達？」
突然鈴の音のような声が上から聞こえた。
ユウとローリーは上を見上げる。
すると、木の上に一人の少女の姿があった。まだ幼げな少女だ。
白いノースリーブのワンピースを着ていて、片翼には純白の翼、もう片翼には翼を模した木の枝のようなものを持ち、頭上では金色のリングが浮いている。
「...天、使」
「あれ？もしかして僕みたいなの見るの初めて？」
「...うん」
ユウは自分が生きている間に天使を見るだなんて思ってもみなかった。
しかし、実際に目にしてみると案外冷静になれるものだ。
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作者名：あまちゃん | 作成日時：2023年4月9日 22時
