【ポケモン】トウエツ地方の旅人たち【CS集】 (ページ9)

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アシェ：過去ページ9

【過去】ナックルシティのごく普通の両親の元に生まれ、それなりに幸せに生きていた。この頃は表情も豊かだったが、両親が事故死したことから彼女の人生は狂っていった。
親戚にたらい回しにされながら段々と精神をすり減らしつつ生きていたが、そのうちにたどり着いた遠い親戚の男がかなり問題のある男だった。彼女が閉じ込められていた暗い部屋で何があったのかはわからないが、1年後そこから逃げ出したアシェは傷だらけになっていた。この時に表情と声が無感情になり、この当時は実際内面もかつての人格を喪失し虚無的になっていた。
ポケモントレーナーになったのはその直後。トレーナーなら10代の少女がひとりで旅をしていても怪しまれなかったから、ただそれだけの理由だった。
まずメッソン、次いでワンパチ、そしてロコン。
ガラルを適当にぶらつきながらの生活はそれなりに楽しく、ポケモンとの暮らしもまた心を喪ったアシェには癒しとなった。段々と元の感情豊かさを取り戻していったが顔と声だけは戻らなかったし、どこか心に穴が開いたままだった。
そんな折に出会ったのが、｢先輩｣だった。倒れているところを偶然発見し、介抱したのが始まり。その場では互いに名前も知らないままに別れたが、アシェの心にはその存在が残り続けた。それは本当はただの一目惚れ、少女の淡い初恋でしかなかったはずだったが、空っぽだった彼女の心の穴にその気持ちだけが注がれてしまったためにその初恋はこびりついて取れない執着になった。
それからはガラルを駆けずり回り｢先輩｣の素性、居所を調べ続けた。そうしてその先輩が｢セシル・クローシェ｣という名前であること、今はトウエツ地方にいることも知った。この時に幼なじみの存在も知ったが、まだあまり深く考えていなかった。
とりあえず居所を掴んだため着の身着のままガラルからトウエツに飛び、先輩に会いに行った。

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