１７話 ページ18
宿題も終わり、テレビをつける。
筋トレをしながら見るテレビの画面には、ベストジーニストが映っていた。
「本日正午過ぎ、都内の銀行強盗が拳銃を持って逃走していたのをＮＯ.４ベストジーニストが捕らえました。」
やっぱりヒーローってすごい。
画面越しのベストジーニストは、前髪を一切乱さず犯人を捕まえていた。
こんなヒーローに、私は本当になれるのだろうか？
たまに自分の未来のことを考えると、怖くなる。
進路だって、職業だって、そろそろ決めなきゃいけなくて。
ちょっと……考えるのが嫌になるときがある。
私はテレビを消し、自分の部屋に戻ってスマホを見る。
友達からラインが来てた。
樹明日遊び行かない?
樹だった。
はあ、とため息をついてから、画面に指を滑らせた。
Aどこに?
樹カラオケとか?
A私歌わないよ
樹じゃアニメイト?
Aいや特に好きなアニメないけど
既読と返信がマッハすぎる。
まあ私もそのくらいだろうけど。
てかこれグループじゃないじゃん。
焦凍と樹と私のあるのに。
てことは焦凍は誘いたくないってことかな。
なんでだろ。
Aてかさ
キャラん?
Aなんで焦凍は誘わないの?
キャラえ?まあ、ね
Aなに?
樹なんでもないから!
なんでもないの？
まあいっか。
樹でさ、どこ行く?
Aえーじゃーもう映画でいいよ
樹映画ね!分かった!
そのあと見る映画とか待ち合わせとか色々決めた。
樹それじゃまた明日!
A分かった。おやすみ
樹うん!おやすみ〜
布団を敷いてボスッと倒れこむ。
頭の近くにスマホを置いて、そのまま眠りについた。
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作者名：派閥弁当 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年6月11日 1時
