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『おっ、結構いい感じ』
一通りの準備を終えて、部屋に置かれた全身鏡の前で自分の姿を確認する。
服装や髪型で人間の印象は一気に変わるもので、自分で言うのもなんだが、ちゃんと様になっていた。
一つ言うとすれば紙紐の扱いが難しくて、結局ゴムで結んだ上から紙紐を掛けただけになったけど……
まあ、別に気にならないから良しとしよう。
私は最後の仕上げに護身用の苦無を持ち、何よりも大切な竹刀を背負った。
『……大丈夫』
襖の前で、もう一度大きく息をする。
何があっても堂々としていよう。
攻撃がくれば弾けば良いだけの話だ。
『行こう』
がらり、と音を立てて襖を開く。
ついに決心をして、私は部屋を飛び出した。
・
・
・
まず最初に向かったのは、食堂。
割と早い時間に向かったつもりが、中では既に生徒達が朝食を取っていた。
正直、入りづらいけど……これも致し方ない。
『おはようございます』
とりあえず挨拶をして、食堂に入る。
その瞬間、その場全員の視線が私に集まったのが分かった。
「おい、あれって……天女か？」
「な、なんだと！？」
「嘘……！」
食器や箸を落とす音、一気に突き刺さる視線に、まあそうなるよねと心の中で呟く。
……いちいち気にしていてもしょうがない。
私は構わず、おばちゃんの待つカウンターへ歩いた。
「はいおはよう……って、あらAちゃん、どうしたのその格好」
『ああ、いえ！気にしないでください……えっと、A定食で』
「そう？はいはい、A定食ね」
おばちゃんと喋っている時も、ご飯がのったお盆を受け取っても＿
まるで時が止まったように手を止めて、生徒達は私をずっと見つめている。
天女に対する好奇、恐怖……
憎悪が詰まった眼差しも、私を突き刺した。
『……構わず食べてくれればいいのに』
誰にも聞こえない声でそう呟いて、開いていた端の卓におぼんを置く。
座ろうとしたその時、ドン、という大きな音が目の前で鳴った。
『……何か、御用ですか？』
いつの間に近くに来ていたんだろう。
私がゆっくりと顔を上げると、青紫の制服に、茶色っぽい広がった髪の毛の人がこちらを見下ろしていた。
「なぜ、天女様がわざわざ食堂にいらしてるんでしょうか？」
笑っているけれど笑ってない表情に、取ってつけたような敬語。
そんな様子を見て私は、この人が初めに森で襲い掛かって来た人……三郎さんなのだと、すぐに気づいた。
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海鈴(プロフ) - 麗羅さん» わぁあありがとうございます！性格についてはかなり考えたので、そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります！ (2022年1月28日 18時) (
レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - コメント失礼します！すごく面白いです！夢主ちゃんが剣道が得意で明るい性格っていうのがすごく好きです！更新楽しみにしています！ (2022年1月27日 22時) (レス) @page2 id: 90634de060 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - みこちさん» ありがとうございます！ (2022年1月14日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» もしも、この作品にゲストが出るとしたら、雑渡さんか兵庫水軍の皆さんが現れてくださったら…なんて考えてしまいます。応援します！ (2022年1月13日 12時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» 後も一つ、犬夜叉と鬼狩りという奴も在りますよ。出来ますれば、コメントを頂けたら嬉しいです。どんなコメントでも大歓迎です。 (2022年1月11日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海鈴 | 作成日時：2022年1月9日 22時
