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「……もう、大丈夫？」
『はい、だいぶ落ち着きました』
山本さんの問いに、私は頷く。
あれから、今までに無いくらいに涙を流して、喉はカラカラだし目は腫れて少し重いけれど、心ははかなり楽になった。
今はもうすっきりしたというか、どこか清々しい気持ちにもなっている。
「でもまあ、驚いたわ……話は聞いてたけど、Aちゃんのことだったなんてねえ」
『すみません、何も言わずに』
食堂のおばちゃんには、山本さんが事を説明してくれた。
私が四人目の天女だということには驚いていたけれど、それを理解した上で、またいつでもおいで、そう言ってくれている。
「いいのいいの！私も、Aちゃんの味方だから、ご飯のこと以外でもなんでも相談してね」
『ありがとうございます……！』
さっきまで、私はここではひとりぼっちで、周りは敵だらけだと思っていた。
きっと、それは違う。
私を知って、理解してくれる人達が、ここにはいるんだ。
そんな人達がいれば、私は立ち上がれる。
『山本さん、食堂のおばちゃん。私、諦めないです。諦めずに頑張って、それで、必ず帰る方法を見つけます。必ず！』
突然の宣言に、自分でも何を言ってるんだと思った。
でも、不思議と恥ずかしさは感じない。
もう、怖いとも思わなかった。
「うん、その意気よ！」
『はい！』
となれば、早速明日からどうしていくかを考える必要がある。
私はもう一度おばちゃんにお礼を伝えて、山本さんと共に食堂を出た。
・
・
・
NO side
同刻＿
学園長先生から指令を受けた六年は組の食満留三郎と善法寺伊作は、その命の通り、四人目の天女を密かに追っていた。
天女が食堂から出ていくのを見届けたところで、壁に背を預け、食満留三郎がぽつりと呟く。
「天女でも、涙を流すんだな」
彼は、心底驚いていた。
彼の知る"天女"は、我が儘で冷酷で、涙なんてものは流さない。
「おい、伊作？」
「……ん？えっと、なんだっけ？」
一方、善法寺伊作は食い入るように天女ののいた場所を見つめ続けていた。
"伊作くん……ごめんね、ごめんなさい……"
頭の中で、今も鮮明に響く声。
涙を流す天女の姿が、彼の中ではある人と重なっている。
「留三郎。天女でも……うんん、天女は涙を流すよ」
「……伊作？」
「なんでもない。そろそろ報告に行こうか」
「あ、ああ」
庵へと歩き出す同室を、留三郎は追いかけた。
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海鈴(プロフ) - 麗羅さん» わぁあありがとうございます！性格についてはかなり考えたので、そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります！ (2022年1月28日 18時) (
レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - コメント失礼します！すごく面白いです！夢主ちゃんが剣道が得意で明るい性格っていうのがすごく好きです！更新楽しみにしています！ (2022年1月27日 22時) (レス) @page2 id: 90634de060 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - みこちさん» ありがとうございます！ (2022年1月14日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» もしも、この作品にゲストが出るとしたら、雑渡さんか兵庫水軍の皆さんが現れてくださったら…なんて考えてしまいます。応援します！ (2022年1月13日 12時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» 後も一つ、犬夜叉と鬼狩りという奴も在りますよ。出来ますれば、コメントを頂けたら嬉しいです。どんなコメントでも大歓迎です。 (2022年1月11日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海鈴 | 作成日時：2022年1月9日 22時
