ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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ここから、叫ぶ？


私はここにいるよ、と。



いや…それはダメだ…。





私が目立ってしまうのはもちろん、みんなに迷惑が

かかる形になってしまったら、最悪だ。





私はここから、みんなに向かって叫びたい気持ちを

グッとこらえて、階下を見つめる。





すると、ホログラムの男性がジャッジガベルを机に

叩きつけつければ、同じようにホログラムでJGGY

BOYSのみんなが、目の前のスペースに映し出された。




そしてホログラムの嘉将くんたちは、容赦なく車を

バットでめちゃくちゃにし始める。





「なに…これ…。」



私は開いた口が塞がらない。



だってこの車って、壱馬くんたちのだよね…？



見覚えのあるその車は、何度か寝起きするのにお世

話になったので、すぐに分かった。






私はホログラムから、壱馬くんたちに視線を移せ

ば、 ROWDY SHOUGUN のみんなは口々に怒号を

あげている。






だけど壱馬くんに至っては、じっと嘉将くんたちの

方を静かに見ていた。




一見、大人しい態度でも、あの目で無言の睨みをき

かせられたら、尻込みしてしまいそう。





涼「Yukiが懸賞金よりも、君を傷つけたLUPUSへの

報復がこれさ。」





涼太くんはホログラムの彼等を見ながら、少し薄ら

笑いで言った。





これが…私のため…。





そうだ、思い出した。




壱馬くんたちの所から飛び出してきたあの日、私が

寝て起きたら、彼等はいなかった。




どこかで遊んできたの？と聞いた時、嘉将くんは言

葉を濁していた気がする…。




たぶん…その時にはすでに…。



「そんな…。」






だけど私が混乱している間にも、ホログラムの男性

がまたもジャッジガベルを机に叩きつければ、今度

はその男性の後ろから、一台の車が壁をぶち破って

入ってきた。






「えっ…？！」



その車は部屋の物をなぎ倒して停車すれば、中から

壱馬くんと慎くん、力矢くんと陸くんが険しい顔で

降りてくる。




「ここって…もしかして…、」




涼「そう、ついこの前まで君がいたJIGGY BOYSの

巣さ。」





間も無くして、ゾロゾロと他のROWDY SHOUGUN

のみんなも部屋に入ってきて、手荒に何かを探して

いる。





涼「君を探している。いないのにね。」




「ひどい…。」




またもニッコリとこちらを見て言う、彼は本当にひ

ねくれていると思う。

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