ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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「壱馬くん、私のこと…好き？」



壱「は？勝手に出てったのはお前だろ？

そんな奴にもう気持ちなんかねーよ。それに…サラ

さんの方が色々な面で、付き合いやすいわ。」




「そんなっ…！」




壱「じゃーな、さっさと元の世界に帰れよ。」



サラさんの肩を抱いて、立ち去る私の好きな人。




嫌だ…、壱馬くんっ！！！








「っハァ！ハァ…ハァ…夢…？」



嫌な夢で眼が覚めると、冷や汗なのか少し額が湿っ

ていた。



「嫌な夢…。」




ふと時計を見ると、もう夜20時を回っていた。




寝すぎてしまった重い身体を起こし、嘉将くんの所

に行こうと部屋を出る。





「あれ…？」




部屋を出ると、そこには誰一人といなかった。



たくさんのパソコンのようなものが、たまにジーと

機械音が鳴っているくらいで、部屋はとても静かだ。





「出かけちゃったのかな…。」





私は部屋を見渡すが、誰もいないようだ。



「喉かわいたなぁ…。」




すると、一つのパソコンの隣に小さな冷蔵庫らしき

物を発見した。



「おっ！はっけーん。」




開けてみれば、色とりどりの液体の入ったボトルが

何本か入っている。




「うげ…。でもこれしかないもんなぁ…。」




とりあえず私は、一番まともなオレンジ色の液体が

入ったボトルを取り出して、蓋を開けようとしたが

これがなかなか開かない。




「ふぬぬぬぬ！」




前かがみになって、蓋に全神経を集中させていた

ら、急に蓋はポンっと音を立てて開く。





だけど突然蓋が開いたその拍子に、私の手は力を分

散できずに、近くにあったパソコンの角に手をぶつ

けた。





「ぃったぁ〜！！！」



開いたボトルを持ったまま、うずくまる私。




「はぁ…もうツイてないなぁ…。」



そう言いながら立ち上がった時、目の前にある今、

手をぶつけたパソコンの画面に釘付けになる。





「なにこれ…。」






そこには壱馬くん、いやROWDY SHOUGUNのみん

なの顔写真がズラッと並んでいた。




そしてそのすぐ下にはみんなの情報の他に、

BABYLONIUM POWERと書かれた冠をかぶるライオ

ンが。





「バビロニウム…パワー？」




私は周りをキョロキョロ見回して、誰もいないこと

を確認してから、その画面をタップしてみた。

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